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May 28, 2006

●死を呼ぶペルシュロン

book-Bardin-01.jpg競馬ではダービーの季節でありますが、もはや競馬からも離れること数年、まだやっていたらBlogは馬で埋まっていたかも。で、いい加減なのでペルシュロン種なんて知りませんです。ジョン・フランクリン・バーディンでは「死を呼ぶペルシュロン」と第3作の「悪魔に食われろ青尾蝿」は積んであったんですが、これも京都で第2作の「殺意のシナリオ」を発見・購入したので、そりゃデビュー作から読んでみましょう。

「死を呼ぶペルシュロン」はジョン・フランクリン・バーディンのデビュー作とのことですが、はっきりいって異常、ミステリというよりは心理サスペンスなんですが、もう出だしから変な人々、奇妙な小人、殺人の場に馬とデヴィット・リンチそのものじゃん、って感じ。。。だけど、こちらのほうが1946年出版なんですね。これはおもしろい!ので星4つ。

しかし最初から変てこなんだけど、リズム感と場面転換がうまいのかぐんぐん引き込まれてしまう。変な設定と変な展開、しかも途中は「記憶喪失!」。いや、そろそろ禁じ手にして欲しいとか勝手なこと書いていたんだけど、しかも50年以上前で、まったくおもしろいのはどういうわけか。記憶喪失使うならこんなふうに使って欲しいなあ。それってどのあたりからくるんだろうか?やはり思わぬ展開へつなげるリズム感とか考えられてるなあ、と思うし、また書いてる作者が書いている内容に酔っているようなのは一番興ざめで、バーディンのようなつきはなしたほうが良いなあと思う。比べている対象は「あれ」です。

しかし最後は、設定は変だけど一応現実的な解決がつくんだけど、まあこれはどちらでもよい感じです。なぜならそれいたる展開のリズムと心理的な不安定さが読み応えなんだから。本格推理小説としてよりもペルッツのような妄想小説として読みたいな。というわけで、次は殺意のシナリオ」「悪魔に食われろ青尾蝿」も読まなきゃなあ。。。

コメント

読み始めて、なんだこりゃ!というほどの変な作品でしたが、これが思いがけず面白いんですよね。たしかに、途中が面白いので結末はどうでもいいような気がしました。
『殺意のシナリオ』は『…ペルシュロン』よりは奇想は押さえ気味な感じですけど、やっぱり面白いです。
『悪魔に食われろ青尾蝿』はぶっとびすぎて、ちょっとついていけませんでしたね。
バーディンは、この三作だけが傑作だと、どこかで読みましたが、もうこの三作だけでミステリ史に充分残る作家だと思いました。

kazuouさん

面白かったです!でも「殺意のシナリオ」も読んだんですが、ちと物足りませんでした。「悪魔に食われろ青尾蝿」は今手元にないので、少しあけて読むつもりです。バーディンいいですね。

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