●さようなら、いままで魚をありがとう
続いてダグラス・アダムスの「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズの第4弾の「さようなら、いままで魚をありがとう」を読みました。ちょっと今回は雰囲気が変わって地球上・・・っぽい。もちろんいろいろあるけど基本は恋愛ものみたいな感じだ。じゃあだめかというとけっこう面白い。ちょっと皮肉の効いた書き方が好きなのだ。
だけど、もうシリーズものだということを考えると、ちょっとばかし今までの登場人物とかやはり物足りないところもあるし、ちと書き方のパターンも見えていることもあって、星3.5ということで。このあたり、短時間で書いていることもあるのかなあ。手癖というかギャグやひねりの書き方が少しパターン化されてるんですよね。
あと「彼」の最後のシーンは悲しいといって良いのか、うーん、複雑な心境。もっと活躍してほしいよねえ。アーサーよりも。
どうも作者の書いた状況にもよるのか、ちょっと幸せな気分の作品なんだけど、それって「銀河」にはあんまりあわないような。でもそれはそれで好きだし、とにかく第3巻まで再刊されただけでなく、今まで翻訳されていなかったこの巻と最終巻が出ることがうれしい(最終巻ももうでてますが)。フェンチャーチも魅力的で、アーサーにはもったいないな。ただ、この巻も含めて、宇宙って「裏側にある秩序」に支配されているような気分だな。
ただ最後は神の意図というSFの王道路線に戻るんだけど、ちょっととってつけたような感が否めない。また、最後の「彼」の登場はファンの私としては喜んで良いのか悲しんでよいのか。。。ちょいとしんみりですね。ただ、このシリーズではどんなひどいこともさらりとやってのける(地球を消しちゃうとか)のが味だったんだけど、地球の復活も含め、ちょっとウェットにすぎるかな。
さて最終巻は「ほとんど無害」を残すのみ。続けて読みたいね。