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November 27, 2006

●鑢(やすり)

book-MacDonald-03.jpgフィリップ・マクドナルドは黄金期の推理小説作家で、前に「フライアーズ・パードン館の謎」と「迷路」を読んで、うーん・・・微妙つうか・・・だったんだけど、いかんいかんやはり代表作を読んで評価せねば、ということで、久々に復刊された「鑢(やすり)」を読んだのですが・・・うーん・・・。 がまんして最後のほうまでいって、最後に少しはなんかあるだろうと思ったらなんにもなく・・・久々に壁にぶつけたくなりました。

まあ年代を考えるにしてもちょっとこれは私にはいただけません。そう、できの悪い新本格と同じ構造ですね。論理的といいながら感性で「この人間は犯人じゃない!」と思い込みまくるし、探偵しながら関係者にいろいり漏らしまくるし、あとから証言かわりまくるし、どこがフェアなのやらもうだらだらですね。パロディとすれば笑えるけど、それにしては品がないので星ひとつ。

なんつうか、トリックはまあ少し良くても、それを生かす設定もプロットもなんにもできないのね。でもこれが推理小説としては許されるらしい。まあ普通の小説と違うことはわかるけど、これならパズル本読んでたほうが良いように思われ。長いこと復刊されなかったのも納得してみたり。つうか危ないと思いながら読んだおいらが悪かったよ。

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