●凶鳥の如き忌むもの
「厭魅の如き憑くもの」に続いて三津田信三さんの「凶鳥の如き忌むもの」を読む。今回は鳥ですよ。鳥。民俗ホラーと推理小説の融合つうところだろうが、おもしろいといえばおもしろいんだけど不満も少々。
よい点といえば、いろいろなギミックや謎がうまくまとまるところであろうか?ちょっと気になる点は人間関係的な構図が「厭魅」とあんまり変わらないよねえ、というところ。悪く言えばワンパターンか。また、凝った舞台設定だが悲しいかな言葉での説明でイメージするのは難しすぎる。人間消失とか密室はその構造が大きなものをいうだけに言葉ではなかなか難しいところである。
話の最後は、これだったら嫌だなあと思っていたらそうだったので嫌だなあ。またトリックについてちょっと似た感じで高木彬光氏の神津恭介で読んだことがあるので、それほど感動はなし。ただよくできているとは思うし、雰囲気は良いので土俗ホラーっぽいのが好きな人には良いだろう。