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May 20, 2008

●天使の牙から

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むかーしむかーし好きだったジョナサン・キャロルですが、いつのまにかなんだかなーになっていた。「天使の牙から」は単行本で10年ほど前に出ていた気がするが、その頃にはすでに単行本では買う気はなかったようだ。すぐに文庫になると思っていたのかもしれないけど。で、1年ほど前になんか文庫本ででたので買っておいたのだが、まあキャロルだからなあ。。。というわけで読んではみたものの。

読んではみたものの、というのでわかるとおり、どうも私にはいかん。もうキャロルは卒業しちまったみたいだ。

まずは、「またか」で、なんだか設定も登場人物も落ちも何もかもいっしょじゃん、ということです。それでもまあ表現や世界が好きならよいのだが、どうもうまいとは思えない。みんなほめてるけどね。なんつうかトウガラシで辛い思いを強烈にするために砂糖と合成甘味料と「愛」とかをぶち込むやり口は最初は驚いても飽きちゃうんだよね。また、登場人物の倫理的レベルが低いこと。で、この自分勝手な馬鹿が愛だの死だの、なんだかなあ、その前まではセックスのことばっかりじゃん。こういう一人称ホラー系は登場人物に感情移入できないと怖がれないんだけど、あほすぎてできないんですよ。このあたりはイーガンの小説や槙原敬之の曲に似ているなあ。どれも嫌いだ。

この小さな幸せ大きなお世話の驚異的なワンパターンはもううんざりなんだけど、過去の栄光で、もう一発だけもしかしたら違う驚きを見せてくるかも、と「薪の結婚」も買っちゃったんだけど、どうだろう。 そういえば体言止の多い訳もあほっぽくて嫌だったんだよなあ。。。浅羽 莢子さんの他の訳はあんまり気にならないんだけど。

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