●氷
昔サンリオ文庫で出ていたということだが、まーったく覚えてないわ。そんなアンナ・カヴァンの「氷」を読みました。。。が、おいおい夏に読んでも暑くて氷っぽくないぞ。普通の夏ならよいが、今年の京都では読んでる自分が朦朧として崩れそうでございます。もっとも私の朦朧に少女は出てこなかったですが。
話はとある北のほうの国、「私」と私が愛する「少女」とその少女を捕らえる「長官」、そしてすべてを飲み込む「氷」の予感。ただ、この私がどうも「信頼できない語り手」で、妄想的であるとか長官との二重性とかそれだけなら陳腐な感じなんだけど、やはり「氷」のヴィジョンこそが通奏低音のようにうまく響いているのだと思った。最初はフェミニズム小説だといやだなーと思ったけど、そんなことなかった。
少女、セグロカモメ、氷、戦争、ということで、なんか押井守的モードで脳内翻訳して読んでしまった。。。天使の卵?宮崎駿モードでは・・・ちょっと無理。