●推薦曲
全然デザインも内容も違うのですが、「日々是音楽」というサイトにmp3の音楽データを置いています。だいたい原曲はマンドリン合奏曲のための曲ということで、一般にはなじみがないと思われます。そろそろ曲も溜まってきたので、自薦曲を整理しようかなと。(新規公開が遅れているネタつなぎの意味多大にあり)
マンドリン合奏のしくみについては他でぐぐってください。で、演奏会で演奏される曲のジャンルとしては「イタリアオリジナル」「クラシック編曲」「現代邦人もの」「ポピュラー編曲や演歌など」があります。著作権の関係もあり、現在は「イタリアオリジナル」というジャンルの曲を、ソフトシンセ、ソフトサンプラーで作成しています。主に1900~1950に作曲されたイタリアやフランスの作曲家の曲で、マンドリン合奏のために作曲されたものと、原曲は無名のクラシック・吹奏楽曲ですがマンドリン合奏用に編曲されて、主にマンドリン合奏でしか演奏されないものを一緒にして「イタリアオリジナル」と呼ぶことが多いと思います。
マンドリン合奏では、マンドリンからマンドローネ、ギターまでの撥弦楽器群などのため、音色が単調になる、伸ばす音の表現がトレモロになる、ピックによる撥弦のノイズがのりやすい、などの欠点も多いのですが、逆にピッキングによる撥弦楽器特有の効果をうまく用いると他では表現できない面白さもあります。私自身の作成方針としては、マンドリン合奏をシミュレーションする気はありません。このあたりは別途書く機会もあるでしょう。
さて、以下の曲が自薦のものです。単純に演奏が・・・というわけではなく曲自体の好みも入っていて、偏っています。
番号順に書きますので、最初の曲が1番というわけではありません。だいたい最初はSampletankによるものがメインなのですが、最近は HALion String Edition を使用しています。えー、QLSO Gold ポチッとなしてしまいましたので、今後はそちら中心になるかもしれません。
002 田園にて In Canpagna
005 黄昏のうた Canto della sera Op.92 No.1
018 彷徨える霊 間奏曲 Anime alla deriva Interlude
019 アゾレス諸島にて Dalle Azzorre
025 交響的前奏曲 Preludio Sinfonico
027 5つのギリシャ舞曲 5 Greek Dances
030 第二ギリシャ狂詩曲 2a Rapsodia Ellenica
032 歌劇「セヴィロ・トレッリ」より間奏曲 Intermezzo dell' opera "Severo Trelli"
002 田園にて In Canpagna
第1楽章は、DTM作成を始めた頃に作っていたので、手の入れ方もいろいろ細かい・・・が、半年後の第2,3楽章はちょっと作りこみは弱いです。雑記で書いているように、カンパネラの入る曲をやってみたかったのでありますが、自分的には曲の魅力もあってまずまずです。ミケーリの組曲の中でも、ミケーリの特徴と明るさが良く出ていると思います。また、よくある田園シンフォニアとしても好みである。第2,4楽章の速度では弦の発音のもたれが感じられるので、もっと発音タイミングをいじればよかったかも。第3楽章はメロトロンを使ってみたかったので、M-tronを入れてみました。その後あまりつかってないです。Samletank中心では全般的に規模からいってもこれくらいがちょっと限界。ノートPCのHDのクラッシュで、もはや元データがありません。
最初こんなに期間が空いたのは、全曲作るかどうか決めていなかったのです。その後、知人にCDに焼いて配布し始めたら、組曲モノも1枚のCDの曲数が揃うまでに作る必要がでてきて、自分でいらない縛りをいれちゃったなーと反省しています。本来は自分が本当に創りたくなるまで待つべきなのでしょうけど。
また、スコアを編曲・出版されている石村隆行氏には感謝です。
005 黄昏のうた Canto della sera Op.92 No.1
これは単純に曲が小さくてかわゆいので。オルガン奏者ということもあって内声部の彩りが充実しています。MIDIなどの技術的にはもう何もしていませんので、その観点ではとても推薦ではないのですが。もうすぐ楽譜もだしたいと思っている。日々是出版局開設が目標。
Bossiの曲はもう少しやりたいのだが、手が回っていません。Bossiの作品に関しては、石村隆行氏の「交響的序曲」の編曲もあり、マンドリン合奏でいくつかやってみてもよさそうな気がしています。オルガン奏者だけあって、結構渋い。でもオルガン奏者のせいか音色に頼っていないところはマンドリン合奏向きでしょう。個人的にはいくつか楽譜を入手しているので、音にしてみたいと思います。
018 彷徨える霊 間奏曲 Anime alla deriva Interlude
MIDIあるいはmp3のできとしては、このあたりからが聴く価値があり、自分の中ではその前は練習作であると割り切っています。これもSampletankではこんなもんかなーという気持ちあり。パイプオルガンを入れたのが自分的には厚くて良い感じ。032でもそうですが、ボッタキアリ好きなので採点が甘くなる傾向かも。
この曲ができるまでは、ボッタキアリなんか作って、本当に曲になるんだろうかという不安はありました。が、まあなんとか聴けるものになりそうかなとも思った曲です。その前あたりの「祖国への愛」とかは演奏のできとしては廃棄処分したいですな。
019 アゾレス諸島にて Dalle Azzorre
もともとが吹奏楽の曲ということで、一転して吹奏楽っぽくというのが目標でしたが、Sampletankのソロの楽器の集まりで管楽合奏みたいになってしまいました。それでもちょっとおもしろいところもあると思っています。中間部のちょっとしゃれた雰囲気が好き。管楽器中心は「戦場にて」でやってみたんですけど、こちらは著作権登録をクリアにしてから出しなおしたいので公開してません。製作のバイオリズム的にはこのあたりは好調かも。
025 交響的前奏曲 Preludio Sinfonico
マンドリン業界で有名なボッタキアリのものではなく、ミケーリのものです。曲は旋律や構成ともにおもしろいので好きなのですがマンドリン合奏ではどうか?と思う部分が多々あります。まず旋律の受け渡しや掛け合いの構成など、もろに音色に依存すると思われます。これは、原譜はみたことないので、編曲譜からの想像でしかないのですが。その部分は普通にマンドリン合奏でやると、どうしても単なる繰返しみたいになりそうです。
Sampletank中心で厚みのあるものを作ったのはこれが最後でして、このくらいがSampletankだけで私に見えている限度かなと。ただ、テンポなどもっとオーバーにやったほうが良いような気もするので、何かオーケストラの音源セットを購入したら作り直すかもしれません。このあたりは元データが残っておりますで。
027 5つのギリシャ舞曲 5 Greek Dances
HALion String Edition という弦楽用のセットを購入して、しばらく放置プレイだったのですが、心機一転、まずは使ってみようと思って作ったのがこれです。都合よく弦楽合奏用のスコアが販売されましたのでタイミングも良かった。1~2曲目のあたりは、演奏を聴いたことなく、スコアのみから作っています。HSEは音が少々ドライすぎるような気もするんですが、まあそれはポストプロダクションで考えるとして、元ネタとしてはその方が使いやすいんでしょうかね。
Sampletankよりドライ&ハードで、弦合奏的なものはこちらに移行しつつあります。最近聴き直して、EQでもう少しハイ落ちにした方が良かったかなーと。でも当時は自分的にはHSEのサンプル的な意味合いもありましたので。
各曲は、1曲目は我ながらがんばっていると思いますが、4~5曲目はどうも惰性になっています。曲集としてはマンドリン合奏編曲には向いていると思うので、一度は編曲も考えたのですが、ほとんどそのままの楽譜になりそうだし、最近は自分で好きに音を出せる関係上、わざわざ編曲する気力は失せています。
030 第二ギリシャ狂詩曲 2a Rapsodia Ellenica
できはね、まあいろいろですが、大きいし。これ作っているときは電源の容量不足でHDへのAudio書き出しが不安定で、部分ごとに分けて、別PCのSoundForgeで取り込んだりしていました。いま聴き直すとやはりもたっている部分もあり、ちょっと不満なのですが、曲的にも規模的にも一応推薦しておこうかと。ただこの曲の民俗性と舞曲的な部分の撥弦の音を考えると、マンドリン合奏のほうが格段に合うかもしれません。ラウダスはあと「エカーブの嘆き」や「第一狂詩曲」までは少なくとも作らなくては。。。
032 歌劇「セヴィロ・トレッリ」より間奏曲 Intermezzo dell' opera "Severo Trelli"
ボッタキアリの歌劇のピアノ譜から松本譲氏がマンドリン合奏に編曲したものを元に、弦楽合奏(+ハープ)で演奏しています。これも HALion String Edition を使用していまして、いま聴くと演奏的にはもう少しためた方が良いなーとか、アゴーギクに不満な部分もありますが、曲の好み度も加えて推薦にしておきます。中の主題は交響曲「ジェノヴァに捧ぐ」でも使用されているので、作者にも愛着があったのかもしれません。ボッタキアリは歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」で有名なマスカーニの弟子で、彼の歌劇「仮面」序曲などもマンドリン合奏用に編曲していたりします。が、作風的には師匠に輪をかけてロマンティックな方向で、歌劇作者としてはジョルダーノあたりのほうが、マスカーニの流れを引き継いでいるような気がします。
これも聴く環境によるのですが、もし良いヘッドフォンなどで聴かれるなら、イコライザで少々ハイ落ちにされたほうが良いかもしれません。ここまで使ってみて、HSEはちょっときんきん鳴ってうるさいなーと思ったりしています。そういいながらSampletankではがまんできず、その後の「夜の静寂」なんぞはHSEに変更したのですが。