●坂田の碁
亡父の趣味は囲碁中心・将棋少々で、いくつかの本や雑誌を購入していた。私はその頃囲碁よりも将棋に興味を持っていて(米長ファンであった。ちょうど中原とタイトル戦での初勝利や瞬間的な四冠王になり、谷川や羽生がでてくる前である)、父の囲碁の本は斜め読みであったが、その頃から「囲碁」の付録の対局詳解などは、かっぱらってみていたような気がする。特に棋聖戦が始まったあたりで、第二期の藤沢棋聖対加藤四冠(だったろうか?)の七番勝負は圧巻であった。特に第五局の加藤の大石撲殺や第七局の半目勝負はあまりに生々しく、今でも覚えている(その頃の棋力から、手順や譜面は覚えていません)。
したがって、坂田の全盛期の碁を生で知っているわけではないのだが、その頃の父の蔵書で「坂田の碁」五巻は私も弱いながらお気に入りであった。特に「石のしのぎ方」なんぞを見ては、どんなところに打ち込んでも生きられそうな感じであった(その頃は手を読んでいませんから)。さてそれから20年以上が経って、私も「ヒカルの碁」なんぞの影響も受けて囲碁にも再び興味を持ち始めている。父が亡くなったときに「坂田の碁」は実家に残っていないだろうかと尋ねたのだが、残念ながら実家を立て直したときに処分されたようだ。後は古本かと考えていたのであるが、第一巻が最近文庫本サイズで復刊されているじゃあ、あーりませんか。
MyCOM(毎日コミュニケーションズ)は、主に将棋のほうに力を入れていたようですが、最近囲碁にもとても力を入れているみたい。新刊や復刊のものも含めて、呉清源ものや囲碁文庫シリーズなどとか囲碁ライフという季刊誌をだしたり、将棋で行えたことを囲碁でもやるんですかね。私からすれば、とにかく本がいろいろと出てくれればありがたい。がんばっていただきたい。(日本棋院と仲良くがんばってね)