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May 29, 2004

●ローマ讃歌

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日々是音楽のほうで、プッチーニの「ローマ讃歌」を公開しました。プッチーニはオペラで有名ですが、いくつか管弦楽曲、歌曲やピアノ曲も書いています。「ローマ讃歌」(Inno a Roma)は1918-19年に作曲された作品で、機会音楽といえるでしょう。原曲は合唱+ピアノです。自編ではないけど、管弦楽+Organ+合唱のバージョンもあります。この曲をとりあげたのは、CD紹介のからみでそろそろプッチーニも、ということと、ここでの元譜がMaurri社から出版されているマンドリン合奏向け編曲譜(Mn1+Mn2+Ma+Gt)を元にしているからです。(言い訳っぽいですね。)

さて「ローマ讃歌」ですが、名前通りローマを讃える歌詞を持つ曲でありまして、ローマ市長の依頼で作曲されたようです。「神々しきローマ、カンピドーリオの丘で…」と歌われます。その後ムッソリーニ政権時にファシスト党の党歌になってしまったとのこと。

演奏としては、最近いくつか手に入ります。前にも紹介した「プッチーニ・ディスカヴァリーズ」で管弦楽+合唱の演奏を聴くことができます。また、ソプラノ歌手のエヴァ・マルトンによる「プッチーニ歌曲とアリア集」で、女声+ピアノによるものが入手可能です。

Maurri社のアンサンブル譜では、他にマスカーニの「シルヴァーノ」の舟歌などが手元にあるのですが(表紙にBottacchiari編の「仮面」序曲などの紹介があったりで楽しい)、当時録音機材が一般的ではなく、ファンが楽しむためにはいろいろな種類のアンサンブル譜が出版されているようです。今では音楽の楽しみ方も変わってピアノソロ程度しかそのようなものはでていないような気がします。吹奏楽譜はけっこうでていますね。こうしてみると技術は音楽を広めるのに大きな影響を及ぼしましたが、現在の私たちの接し方はワンクッションおいたものになってしまったのかも。

プッチーニはどうも直接的にはマンドリンとはあまり関係ないようですが、当然いくつかの曲はマンドリン合奏でも編曲されて演奏されています。しかし、クラシック一般の世界と異なり、マスカーニなどのほうが愛奏されているようです。どうしても旋律の魅力よりは管弦楽的な充実度に重みがあるので、しかたないかもしれません。プッチーニでは「交響的前奏曲」は少し規模が大きくて大変だし、次は行進曲「電気ショック」か「ムゼッタのワルツ」あたりを考えております。

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