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October 15, 2004

●20世紀SF〈4〉1970年代―接続された女

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ジーン・ウルフの「ケルベロスの第五の首」を読んだので、ついでに手に入る短篇も読んでおこうと思った。で、河出書房のアンソロジーである「20世紀SF〈4〉1970年代―接続された女」を購入。ウルフでは、あと先月のSFマガジンの特集号で「アメリカの七夜」など中篇+2短篇が手に入るのですが、他にもあるのかな。

私はSFには疎く、「20世紀SF〈4〉1970年代―接続された女」をつらつらみるに、この時代あたり(あるいは60年代も少々)から読み始めているようだす。ハードSFとしての根本的な体験をしていないので、なかなかSF魂が燃え上がったりはしないのであった。でもきっとSFとしては良い本です。途中で挫折したんですが、まあ自分の記録として。

接続された女(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア)

これは20年程前に読んでいたので、再読。筋や細かいところは全部忘れている。ジェイムズ・ティプトリーJr のものはいくつか読んでいるんですが、その頃は読み難い文体・書き方だなあと思っていたはずなのだが、今回読むと全然そんなことはありません。その後いろんな崩れた書き方のホンを読んできたせいでしょうか?

文体といい内容といいサイバーパンクそのものなんだけど、今読むと広告に関する部分がやけに納得できておもしろい。大衆は行き過ぎるもんだ、というのも妙に納得。構成上必要があってのことですが、化け物的に書ききるところがすごいですね。

デス博士の島その他の物語(ジーン・ウルフ)

「モロー博士の島」へのオマージュなんですが、すみません、読んでません。本と現実との境界のあいまいさは、ジ・・・・キ・・・の小説を思い出しました。何の不思議もなくパーティーで混乱するのが面白いっす。最後のオチがまた笑える。デス博士はほらまたあなたのそばに現れる。。。

変革のとき(ジョアンナ・ラス)

ジョアンナ・ラス読んだことねえす。フェミニズムなんでしょうか?そうだよなあ。男の考えは甘くて女は現実的だもんなあ、と妙に納得したのであった。きっと全女は男の言ってることをはいはい、まあ夢見ててください、と思いながら聞き流してるんだろうなあ。でも、それ書いちゃうと男性にばれちゃうから、ジョアンナ・ラスが書いているのは良いことではないのだ。バカ(男のことね)相手には秘密にしておくよろし。

アカシア種子文書の著者をめぐる考察ほか、『動物言語学会誌』からの抜粋(アーシュラ・K・ル・グィン)

アーシュラ・K・ル・グィンも有名で本も持っていながら読んでません。すまんこってす。で、ちょっと冗談のような小説なので、これで評価したらいかんのだろう。どちらかというとレムの「完全な真空」や「虚数」ののりで読むべきなんだろうなあ。

この主観的科学感というのが非常に危険で、のめりこむとニューサイエンスとかオカルトじみた世界にいっちゃうし、よく理解できずに反対側へ進むとW大の○槻教授みたいになっちゃうんですよね。ま、どっちも知能が低いことでは同義なのだが。物理学というのは、まずこの世界の事象ありで、この世界をモデル化し表現するためにあるのであって、物理学が幽霊の存在を規定するわけじゃないんですけどね。大学ではああいう根本的な間違いを撒き散らして許されるんですかね。うるわしき良い世界だなあ。まあ幸せな人々をみてげらげら笑って楽しむ小説ということです。

逆行の夏(ジョン・ヴァーリイ)

うーん、普通のSF。べつにおもしろくもなんともない。というところが、自分がSF萌えでない所以であろうか。

情けを分かつ者たちの館(マイクル・ビショップ)

私的には、全然面白くないので、このあたりで挫折。以下は挫折中。プリーストやラファティなど心ひかれる作者もいるのだが、所詮私はSF者の仲間には入れないのだろう。

限りなき夏(クリストファー・プリースト)
洞察鏡奇譚(バリントン・J.ベイリー)
空(スカイ)(R.A.ラファティ)
あの飛行船をつかまえろ(フリッツ・ライバー)
七たび戒めん、人を殺めるなかれと(ジョージ・R.R.マーティン)

コメント

ラファティは面白いので是非。(お好みにあわなかったらごめんなさい…)

そうですね。ラファティは集めてもいるのできっと読みます!。

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