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October 09, 2004

●Cembalo Revolution

CD-arihashi-01.jpg

2年程前にでていたCDのようですが、最近購入しました。選曲がおもしろすぎる。私のつぼにはまった選曲です。伊福部昭の曲が入っているからというのではなく、本当にどの曲も良い。特に最初のラヴェルなんか、「亡き王女」や「古風なメヌエット」をマンドリンでやるくらいならこれを弾きなさい!って感じ。小ロマンス(伊福部昭)はなんと眠狂四郎のテーマだったそうで、そこにチェンバロ・ソロを持ってくるのはすごいなあ。しかも最後はエレクトリカル・パレードのテーマ。

曲目は以下のとおりなんですが。

スピネットを弾くアンヌ(ラヴェル)
メヌエット(マスネ)
変奏曲ト長調(ドニゼッティ)
舞曲(ディーリアス)
リゴドンop.97(トーメ)
ソナチネ第3番「子供のために」(ブゾーニ)
カプリッチョ組曲(R.シュトラウス)
前奏曲とフーガ(タンスマン)
東北民謡集(信時潔)
組曲op.100(A.チェレプニン)
オフェーリアの踊り(ショスタコーヴィチ)
ヴィンニ・プーフ(熊のプーさん)(ワインベルク)
前奏曲とリトルネッロ(ロドリーゴ)
サンタマリア(伊福部昭)
小ロマンス(伊福部昭)
バロック・ホーダウン(ペリー/キングスレー)

まずラヴェルの小品がおもしろい。チェンバロの音の特性をうまく活かした作品で、初期の作品なので特にわかりやすいし魅力的である。うーん、楽譜欲しい病になったので捜してみるべ。発音の特性が近いせいか、これはピアノ曲よりはよほどマンドリン向きだと思う。ラヴェルでは、「亡き王女のためのパヴァーヌ」がよく編曲されるが(「ラ・ヴァルス」「高雅で感傷的なワルツ」あたりもあるけど個人的にはやりすぎだと思っている)、こちらの方がそのままマンドリン。

チェレプニンは伊福部昭を見いだしたことばかり有名で、彼の作品を聴く機会はあんまりないのだけど、この「組曲」は適度に現代的でおもしろい。また、タンスマンなんかもギター弾き以外は知らないだろうけど、おもしろいじゃん。チェンバロの金属的で残響の少ない音は、不協和音を作ったときでも瞬間的なので、味付けにはすごくおもしろいと思った。こいつらもマンドリン向き、というか、マンドリン編曲はこのくらいの規模が適度だと思うな。200年以上前にばりばり7や11の和音を入れていたスカルラッティはやっぱりすごかったんだなーと改めて感じたのであった。それもチェンバロだったからか?

ブゾーニの「子供のために」もおもしろいが、これで育った子供は楽しそうだ。これとバルトークの「ミクロコスモス」とかで育ててみよう。R.シュトラウスの「カプリッチォ」は擬古典的で笑っちゃいます。伊福部昭の作品も小品であるが、お吟さまは鈴木静一竜でいくとガラシャでしょうか?もうひとつの眠狂四郎にチェンバロ・ソロを使う感覚がすごいと思った。

演奏者の有橋淑和はよく知らないし、チェンバロ演奏としてうまいかどうかもよくわからんのだが、この選曲のセンスと企画にやられました。最後のエレクトリカル・パレードのテーマまで、もうすんごい楽しいです。聴いてみそ。

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