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October 26, 2004

●世界終末十億年前

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最近レムの「ソラリス」が新訳ででたようだが、対抗するために?ストルガツキーの本を読もうと思った。なぜか私はストルガツキーの本をたくさん購入していて、しかもけっこう読んでいるのに、何一つ覚えていません。うーん、ということで「世界終末十億年前―異常な状況で発見された手記」を再読。

私、あまりSFファンではありませんがストルガツキーを多く持っているのは、SF本としてというよりはどうもロシア文学(その頃はソ連文学であった)として読んでいるようです。もちろんストルガツキーの作品でSF的な設定は多いわけですが、どうも典型的な SF(Science Fiction あるいは Fantasy)というよりは SF (Situation Fiction あるいは Fantasy)であるところがおもしろい。

さて、「世界終末十億年前―異常な状況で発見された手記」です。15年前に読んでいるはずですが、まーったく筋書き覚えていませんでした。途中でまたストーカータイプかと思わせながら、ちょっと一ひねりですね。全宇宙の問題でありながら起こっているのがとても身の回りの出来事でどたばたしているのがおもしろいですね。結局本当に宇宙法則なのかヴィーチェロースキーの一味の陰謀なのか、もっと裏に何かあるのかよくわからんのですが、宇宙法則ではテッド・チャンの「あなたの人生の物語」やベルの定理による局所因果関係の崩壊などを思い出させるあたりが楽すい。しかしこの一種究極状況で日常のどたばたやギャグが入ってしまうところがストルガツキーってすてきーってかんじです。

ただ、一番謎なのは副題の「異常な状況で発見された手記」の部分で、これがあるために、いったいどんな状況で発見されたんだーともんもんとしてしまいますね。私いろいろ妄想したまま終わったのですが、何かヒントはあったのでしょうか?まあこれは妄想することに意味があると思っておこう。

コメント

 こんにちは。ぎんこと申します。すみ&にえさんたちのbbsから飛んできました。よろしくお願いします。
映画は結構好きな方なので、「ストーカー」の作者ストルガツキー兄弟のことは知ってました。映画も見てます。でも随分前なので忘れてます。バーゲンでDVD買ったので見なくちゃと思いつつ。ですが、本は読みたいと思いながらも積んだままでした。確か、本棚に眠ってると思うのですが。で、ストルガツキー兄弟で検索したら、ソクーロフの「日々は静かに発酵し…」に原作があり、それが「世界終末十億年前」だと知って図書館で借りてみました。映画の方は見てませんが、本でまず雰囲気を味わってみたいです。タイトルがなんだかすごいですよね。
なおきさんのBrogは他にも興味深いものがあるので、また別のコメントさせてもらいます。では。

ぎんこさん初めまして。

ソクーロフの「日々は静かに発酵し…」の原作ではありますが、映画はほとんど変わっちゃっているそうですよ。

http://russiaeigasha.fc2web.com/arc/films/h/hibiha/

「世界終末十億年前」で、もし楽しめれば、「月曜日は土曜日に始まる」とか「そろそろ登れカタツムリ」でも楽しめると思います。ちょっと変なところが好き。タイトルはもちろん一応意味があるんですが、書いているとおり、「異常な状況で発見された手記」の意味がわからず妄想中。もし読んで思いついたら教えてください。

「異常な状況で発見された手記」の意味、わかりませんでした…。大体、誰が書いた手記なんだかわかりませんよね。マリャーノフなのかな?でもそしたら「私は」など一人称ですよね、普通。で、よくわかんなかったんですけど、あの終末的でジリジリとしたどうでもよくなる暑さというか、そんな雰囲気は好きでした。他の作品もまた読んでみます。あと、ソクーロフの映画は友人が貸してくれるそうなので見てみます。

やっぱりわかんないんですよね。そこでいろいろ考えて、もんもんとできるのが良いかなと。

映画観たら感想を教えてください。私は急に観たくなってタルコフスキーの「ノスタルジア」と「サクリファイス」のDVDを購入しました。でも当面積んどくだな。

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