●アイデアを鑑賞する
前から買おうと思っていたのですが、忘れているうちに半年経ってしまったので、AmazonでDVDなどを購入するついでに「アイデア×アイデア」(田口元)という本を購入しました。「百式.com」というサイトで毎日ひとつ紹介されている、インターネットでの面白い商売やアイデアをまとめて本にしたものです。アイデア欠乏症の私にとってはビタミン補給というところです。まあ買ってもぱらぱら見て、ベッド脇に積まれるような気もするんですが。
自分に革新的なアイデアを出す能力が乏しいなあと大学の頃に悟って以来、せめてアイデア鑑賞はしておこうと思ってきました。特にPCゲームなどは、ソフトや雑誌を購入するのですが、あまり最後までやることも少なく、後で考えるとゲーム作家の新しいアイデアを鑑賞するのが好きだったんですね。今でも覚えているのは白黒Macの頃の「シムシティ」、Dos/Vマシンになって「シヴィライゼーション」や「ポピュラス」「ダーク・イン・ザ・アローン」なんぞは結構衝撃的でした。「シムシティ」は単純にゲームとしてとかシミュレーションとしてというよりは、箱庭の延長でゲーム性はおまけにつけてあるあたりに発想の転換を感じました。また「ポピュラス」はメタレベルで操作するようなイメージにがつんときました。もちろん蟻んこのように住民ががやがや動いていて一人一人は操作できないあたりも。
また、PCゲーム以外でもボードゲームの本などを見て、ルールやアイデアを楽しんでいます。ドイツではボードゲームが盛んなようで「カタン」などは日本でも翻訳して販売されています。これらのゲーム設計での見所は、やはりその世界観をどうルールにうまく表現するか、少ないルールで多様性を作るか、運と思考のバランスをどのようにとるか、あたりでしょうか。これはカードゲームにもいえることですね。ゲームの説明だけ観て楽しんでいるのは、一緒に遊ぶ友人がいないからです。やるのはめんどうなのもある。
逆にゲームボーイの某ゲームをやっていてがっくりきたのは、ルールが月毎に変わるとかそういう世界だというやつで、そ・れ・だ・け・か・よ、と突っ込みを入れたくなったことがあります。PCのゲームなんてルールにすればさいころ振って勝ち負けの判定しているような味気ないもんですが、それにいかにうまく世界観で覆って、さもその世界では当然のように見せることこそがゲームの設計だと思っていたのですが。言ってみればゲームの世界観はユーザ側のGUIみたいなもんですね。
天来のアイデアというものはそう簡単に出るものではなく、やはり多くは既存の発想を「横に展開してみる」「縦に展開してみる」「裏返してみる」「逆からみる」「極端にしてみる」「いっしょにしてみる」などいくつかのパターンはあります。そのためにはいくつもの引出しを自分の中に準備しておく必要があります。理想とする天才にはなれないけど、要求されれば何かを絞り出せるくらいにはなりたいもんです。それもムズカシイんですけどね。