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January 29, 2005

●KFC

CD-KF.jpg

KFCといえばケンタッキーフライドチキンではなく、カエリヤマファイナルコンサートでございます。昨年11月28日に行われたライブのCDが完成したようで、購入を申し込んでいたものが最近送られてきました。もちろんバカモノですから2枚購入し、1枚は永久保存バックアップです。カエリヤマ萌え。

久々に帰山栄治氏のマンドリン合奏曲聴きまくりで、忙しい中、小さな幸せでございました。何で好きなんだろうと考えると、バルトークやプロコフィエフ的なクラシックの感性もあるんだけど、真のプログレ魂を感じるのが大きいんじゃなかろうかと最近思っております。そう、邦人マンドリン曲界で唯一のプログレ・マスターなのだ。そう思えば低音部隊が彼の曲でプログレリズム隊のようにアドレナリンだしまくって陶酔しまくるのがわかるんじゃなかろうか。

私のマンドリン合奏との接点は大学時代だけだったわけですが、その後もマンドリン合奏曲を聴く立場から、あるいはコンコルディアで演奏に参加させてもらうようになったのは、帰山栄治氏の曲が好きだ!というのが大きい。20年前、まじめに大学院は名古屋大を受験できないだろうかなどと考えていたおばかです。

さて、カエリヤマファイナルコンサートは、もう作曲しないというわけではなく、作曲家個展のような演奏会としては最後ということのようですが、そのために旧作と新曲が2作入っておりまして、どれも、聴くしかないだろう、状態で久々に舞い上がりました。

YI-ER-SAN(新曲)
自分的には昔のカプリチオなど思い出して、すっきりと楽しい。わざわざ演奏会のオープニングのために書き下ろされたみたいだけど、変な力が入っていないくち良いなあと思った。初手からザンザンザンと弾きおろしリズムなのだけれど、やはりこういうところがマンドリンオーケストラの個性なんだと思う。

Ouverture Historique No.2
この曲に関しては大学時代先輩の演奏を食い入るように聴いていた記憶があり、それが身に染み付いているので、最初は速度や表現に違和感を感じたんだけど、何度か聴きなおすと、落ち着いた演奏も良いなあと思うようになった。まあしかし自分的には落ち着かない(崩れるという意味ではない)前ノリの速度感と熱狂があるテンポで演奏されるほうがいいなあ。変拍子バリバリなのだけど、解釈によってアクセントの置き方やフレージングで(特に前半)えらく印象の変わる曲でもある。Ouverture Historique No.4の良い演奏・録音のCDは一般に出てはいないんだろうか?当時神戸大の初演や和歌山大の「うねり第2番」の初演で熱狂した口なので、このあたりの良い演奏録音がほしいなあ。

協奏序曲(Vn+マンドリンオーケストラ版)
個人的には今回のヴァイオリンソロ版のほうが好きだ。申し訳ないがやはりソロの表現力ではマンドリンとヴァイオリンには差があると思う。また、今回の演奏を聴いて、表現力的な楽器の差もあるんだけど、それよりも音色の差でバックのマンドリン合奏にソロが埋没しないのが改めてわかった。音量が小さくなっても発音原理が違う音色なだけにしっかり聴こえるんですね。マンドリンソロだとどうしてもバックの合奏に同一化してしまう。それは音色が同じことと発音が早い衰弱音だからソロヴァイオリンとオケみたいな差を出せないんだなあと感じた次第。曲はもちろん大好きで、後半リズムを刻むところから後は涙しますね。

三楽章第5番(新曲)
これこそ真骨頂的な帰山ワールドなのでうれしかった。自分的には初期から中期の曲が好きで、Ouverture Historique No5,6 あたりの時期からはえらく形式的にも音的にも整理されすぎている気がするのと、旋律線における音の動き方がちょっと安易な部分がみえるような気がして不満だった。まあ高度な部分での不満かもしれない。mp3にして持ち歩いて聴くと三楽章第5番では結構圧倒されたので、他のものも持ち歩いてしっかり聴くとまた印象が変わるのかもしれない。

1楽章の出だしは少しショスタコの15番的なもの感じたけど、考えすぎかもしれない。1楽章の登頂感も好きなんだけど、やはり3楽章のリズムがオスティナート的に動き始めてからがたまらん。また、最後は2つの旋律を組み合わせたような息の長い旋律線がのるところでは最高ですなあ。特に旋律の後のほうがロシアっぽいのは、初期からの回想もあるんじゃろかと勝手に思ったり。


自分でももう少し暇ができればなんか作ってみたいなあとは思うのだ。JASRACの処理して公開するか自分だけの楽しみにするかは別にして。はやく宝くじ当てて引退したいっす。まあ4億円当たれば2千万円ほど使って全集作成だな。

帰山栄治氏の作品の解説はこちらのサイトで探すことができます。またコンコルディアの演奏でもいくつか聴くことができます(第32回定期演奏会も販売してたのね)。

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