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March 05, 2005

●オペラ座の怪人

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というわけで、ガストン・ルルーの「オペラ座の怪人」をハヤカワミステリ文庫版で読んだ。うーん、やはり小説だと設定が少々違っていたり、兄のフィリップ伯爵がでてきたり、謎のペルシャ人がでてきたり、最後は脅威の拷問の間があったりで、やはり都会のゴチック小説なんだなあと納得した。怪人とクリスティーヌの関係も納得だよ。もちろんミュージカル版はミュージカルの世界があるわけで、うまく見せ場をつくっているなあと逆に感心した。ラウル君はどっちでもやっぱり何にもできずにへたれっぽかった。

他にも創元推理文庫、角川文庫で出ているようだが、ハヤカワミステリ文庫版は日影丈吉氏の翻訳が古典的なので、雰囲気は好きなのだが、わかりやすいかというとちと疑問もあり、これはお好みで選んでもらったほうが良い。

やはり怪人の設定は結構違うわけで、原作ではどうみてもクリスチーヌが普通の意味での愛を怪人に持っているとは思えず、もしかして愛していたら、というのはウェッバーのミュージカルにするための考え方だと思う。それも、原作では「勝ち誇るドン・ジュアン」はひの目をみずに終わるわけで、「勝ち誇るドン・ジュアン」が実際に演奏されたら堂なんだろう、とか「ドン・ファン」だから見せ場は地獄おちだよなあ、テナ感じでミュージカルの思いつきになるんじゃなかろうか。いやもちろんこんな簡単なものではないのは重々承知のうえでなんだけど。

ミュージカルでは怪人とクリスチーヌの怪しい関係がメインなので、顔半分が観るに耐えなくても全体としてかっこよいんだけど、原作は全然そんなことはなく、ストーカーっぽいっすよね。実際はこんな感じの顔なんじゃないかと思われ。

DVD-faust.jpg

これはヤン・シュヴァンクマイエルというアートアニメ界の巨匠の巨匠の作品ですが、まあ買っちまったんでそのうちなんか書くだろうか。。。

さて原作は愛憎劇というよりはやはり伝奇小説で、都会のゴチック小説の傑作なんだろうと思う。オペラ座は霧に包まれる城なんだね。で、結局最後まで怪人エリックのままに動かされるわけですが、最後はやはり小説のほうが納得は行く気がする。また、シャンデリアも落ちるけどそんなに山場じゃない気がするし、書いたとおり「勝ち誇るドン・ジュアン」の演奏もないわけで、逆にミュージカルのつくりがうまいなあと思った。また、ゴチックという面に加えてオペラファンや音楽愛好者にはうんうんうなずくところもあるだろうから、音楽小説としてもおもしろいかもしれない。ルルーも結構オペラファンだったんだろうなあ。。

日影氏の訳は雰囲気ありというか時代がかっているというか、さすがに署名で「オの怪」はないだろうとは思うんだけど、ゴチック小説だと思えばもって回った雰囲気も楽しんだほうがよいので、私にはこれでよかったんだろうと思う。でも何書いてあるんだか良くわからない文もあるんですが。。。ちなみに日影丈吉作のものでは「ハイカラ右京探偵全集」が伝奇小説というか和風ゴチックというかおもしろいぞ。

コメント

映画でも十分ストーカーだと思うよ>ファントム
昨日また見てきたのですが、クリスティーヌがマスクを取るわけは未だよくわからず。ただ、ウトーリしていたクリスティーヌが「All I ask of you」の途中からハッと我に返り、その後マスク取り・・・という感じなので、やはり「あなたの世界へは行けないわ」ということなのかな。
わたしゃファントム作オペラ「ドン・ファン」が現代音楽っぽくて好みなので(途中のVnソロが特に好き)、続きを聴きたいんだけどなぁ(笑)

はまってますなあ。

うーん、現代音楽というほどではないと思うんだけどね。原作では音楽の才能もあるけど、奇術やトリック、建築の才能もあって、ペルシア・トルコのあたりを回って、後にオペラ座建築の時に作業にはいったみたいな流れだったな。

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