●海のオベリスト
C.デイリー キングは本格読者への挑戦派であるらしい。「空のオベリスト」を購入したので、それを・・・と考えていたが、どうせ読むなら前のものから読んだほうが良いよねー、と考えて「海のオベリスト」から読んだ。感想は・・・というとまあ面白いといえば面白いが微妙だ。英国的な皮肉さがないところがちょっと。巻末に「手がかり索引」があったりするんだけど、綾辻の「暗黒館」もこれでいけばいいのにと思った。
「海のオベリスト」では、大西洋横断の豪華客船の上、大富豪が殺される。4人の心理学者がそれぞれ推理するがさて・・・という話なんだけど、まあすでにこの頃にすでに心理学はおもちゃだったらしい。構成的にはおもしろいけど、各人の推理が説得力なさ過ぎてちょっとつらい。後半の発見と動きは結構面白かったので、半分くらいにまとめたらよいのではないかと思う。つうかほとんど映画のノリだよね。というわけで、私の評価はまあ普通である。どこを評価するか、というとやはり多重推理なのだが、もう少しコンパクトでリアルなものを望む。つうわけで「空のオベリスト」微妙だなあ。でもまあそのうち読むか。。。
以下触れますぜ。読んでから。
だいたい偶然が多すぎて、私の好みではない。毒のタイミングと停電のタイミング、発砲のタイミングなどちょっとねえー。また犯人についてはそうかなーと思った時も確かにあったのだった。でもコラリーの反応で逆に違うのかと思ってみたり。まあいいけどさ。