●迷路
フィリップ・マクドナルドは「フライアーズ・バードン館の謎」でちょっとひいていたんだけど、世界探偵小説全集を読み始めるとすると「Xに対する逮捕状」があるので読むのか?ゲスリン大佐おもしろいのか?ということで、ちょっと予備的にポケミスの「迷路」を読んでみたら、より一層どんびき状態になってしまった。いや正統パズラーの本で、休暇中のゲスリン大佐(読者)に与えられるのは、検死審問の資料のみ。さああなたは犯人を見つけられるか?いや見つけても全然面白くないんですけど。。。こういうのが本格の醍醐味なんだろうか?
まず根本的に小説としておもしろくない。解決編であっと驚くかといえば驚かないし、純粋推理であるべき場所で、ゲスリンくん思い込みに近い言い方をする(そんなことをするはずがない、とか)んで全然純粋推理だと思えません。事件がおもしろくないし、解決が面白くなく、ま、百歩譲って単なるパズルだとしても気付くかどうかというくだらなさです。
うーん、ゲスリンくん今後読む気力が失せたぞ。。。
以下触れるかもしれません
だいたいこういうパズルでは、複数の証言者の矛盾をうまくつくことと、その矛盾が意識的な嘘ではなく意図しない(できれば必然的な)理由で生まれてこそ面白いのであって、単なる一人の証人の言っていることが嘘だとしてなにがおもしろいのかよくわからん。せめて事件としておもしろければ救いもあるが、一番くだらなくてつまらない解決なのでいかんともしがたい。