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November 15, 2005

●宮沢吾朗×2冊

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名人戦が終わりました。小林覚九段残念!張栩名人最後はがんばりましたねえ。

さて、最近の私的序列では、1に文学、2に音楽、その次がゲームで、ゲームの中に入るかもしれないとはいえ囲碁は4番目である。4番目の趣味ともなると相当時間が限られていて、囲碁界のタイトルの情報を追うのが目いっぱいで、自分が強くなるなんておこがましい話でもあるんだけど、まあそのうち暇を作って日本棋院や碁会所に出没するのが夢である。日本棋院のネットにもはいろうかなーと思っているのだが、おもしろそうな対局のライブは普通の日なので、サラリーマンにはつらいのう。。。ここでは宮沢吾朗九段の新刊2冊を購入したのでご紹介。

ちなみに宮沢吾朗九段は、さかなくんのお父さんです。子育ても常識破壊だったってことでしょうか。よいことだ。

さて、強くなれないとすれば見て楽しむんだけど、それには最適なのが異常感覚「宮沢吾朗」九段の本である。きちんとバランスの取れた碁も良いかもしれないけど、それは解説がないとわかりにくく、そこまでよめない素人には大決戦がおもしろい。たとえば丈和の碁も秀策の碁もすばらしさのレベルははるかに高いところにあるとしても、秀策・秀甫の手割なんかはその深さがわかりにくく、やはり丈和・因碩のねじりあいのほうが楽しめるというのはある。で、そのねじりあいというかもう面白すぎるのが宮沢吾朗九段の碁で、今回その感覚破壊を伝授する「常識破壊―殻を破る発想法」と「宮沢吾朗―打碁鑑賞シリーズ〈12〉」が登場。もうね、打碁鑑賞シリーズはめちゃくちゃおもしろいですが、これで勝率を高くするのは難しそうだなあ。。。

常識破壊―殻を破る発想法」では宮沢吾朗的発想での序盤、中盤、実践を。以下のテーマを読んでいるだけで楽しいね。

まえがき
第1章 布石の常識から抜け出す
 テーマ1 ヒラキの幅の常識をこえよう
 テーマ2 スベリからのヒラキは?
 テーマ3 ツケ引き定石のヒラキ
 テーマ4 コスミばかりが応手じゃない
 テーマ5 「甘い」のは後が悪いから
 テーマ6 スソ空きはサバキやすい
 テーマ7 ヒラキやスベリで一間トビ
 テーマ8 逃げなければ攻められない
 テーマ9 急場より大場?

第2章 中盤の常識を破る
 テーマ1 イメージは立体感
 テーマ2 中盤戦は気持ちと根性
 テーマ3 気持ちだけは最大のところへ
 テーマ4 後ろから石を運ぶ
 テーマ5 一番大事なところはどこ?
 テーマ6 形になずんだ私の失敗
 テーマ7 常識は相手にゆとりを与えることも
 テーマ8 用心しても、厳しいものは厳しい
 テーマ9 中央でなくても進みたい方に進め
 テーマ10 この形は生き?
 テーマ11 大きな石を取ると不自由
 
第3章 必殺の取りかけ
 テーマ1 要石を逃げる
 テーマ2 フリカワリの決断
 テーマ3 「取る」と「攻める」の境界、その1
 テーマ4 「取る」と「攻める」の境界、その2
 テーマ5 優勢を勝ちにする、決め手の取りかけ
 テーマ6 取りかけ空振りの一例

第4章 宮沢流テスト

ただ、碁の細かいところは「宮沢吾朗―打碁鑑賞シリーズ〈12〉」のほうが圧倒的におもしろい。やはりけんかはかってくれないとけんかにならないし、一手一手の意味がものいうからね。この囲碁文庫シリーズは簡単に持ち歩けるので良い。

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