●暗闇神事 猿神の舞い
藤木稟の朱雀十五シリーズの新作が出ていたので読みました。「暗闇神事 猿神の舞い」でのうんちくは歌舞伎。歌舞伎の一門である猿田屋に伝わる「ミハシラツキ」の伝説と浅草連続猟奇殺人事件の話です。前作の「夢魔の棲まう処」はいまひとつぴんとこなかったし、「殉教者は月に舞う」はあまりにもひどかったけど、今回はまずおもしろかった。
やはり歌舞伎とか猿楽とかでうまく埋められているからで、その饒舌な感じがないとすかすかになっちゃうんだなーと思った。朱雀十五が出てくるバランスも良いような気がする。出過ぎることも難しいし、あまり出ないとおもしろくないし、、、難しいですなあ。人魚もでてきて某巨大作品と似ているような。。。でもこちらのほうが断然面白いと思う。柏木くんはこのくらいでうろうろしているのがよく、前回作だとちょっと壊れすぎ。
ただ、トリックは許すにしても、これだと犯人が猿田屋内の人間になってしまうので、心理的にはちょっと疑問だ。あと本のデザインはあんまり気に入らないぞ。