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November 06, 2005

●魔障ヶ岳

book-moroboshi-01.jpg諸星大二郎といえば小学生の頃にまともに連載中に読んだ「妖怪ハンター」や「暗黒神話」が衝撃的で、今でも古代神話が好きなのはその影響を受けているかもしれない。もっとも今読むと、さすがに小学生の頃とは感じ方が違うんで、当時はホラーっぽい感じ方だったんだけど今はやはり幻想譚みたいな感じでしょうか。

で、「稗田礼二郎フィールドノート」といったほうが良いのだが、一般的には「妖怪ハンター」と言う名前で通っているシリーズの最新刊が出ていたので購入。「魔障ヶ岳」はメフィストに連載されていたらしい。出始めた頃はメフィストも買っていたけど、もう買ってないからねー。連載していたこと自体知らなかった。ついでに映画でシリーズ最高傑作である「生命の木」が奇談というタイトルで映画化され、11月中旬には公開されるらしい。見に行かなくては。。。なんだけど、けっこう微妙かもしれない。不安半分。

魔障ヶ岳」はまともにつながった長編のように読めるが、中の3話は単独でも読めるようになっていて、外枠はその原因となった物語である。古代からの神話や伝説を多く読んでいると「名を呼ぶこと」自体が呪術だと知っているので話についていけるんだけど、そのあたり知らない人だと実感が伴わないかもしれない。名前自体が呪であるというのはやはり知識であっても実感がともなわないとこの物語はおもしろくないわけで、そういう意味では今までの何らかの神話や伝説をもとにしたものからするとちょっと抽象的かな。そのあたりのからみが少ないのがちと食い足りなかった。また中の3話のパターンもけっこうよくあるパターンだし(猿の手パターンもある)。それぞれの滅び方は諸星大二郎らしくて良いな。

映画の「奇談」のほうはもう「みんなでぱらいそさいくだ」がどうなるかだけが楽しみというのも、なんかはずしているような気がするが、元々は短編なので映画の時間でもつんだろうかというのが心配。昔の沢田研二の「ヒルコ」もちょっとはずれぎみだしねえ。でももう一度見てみたい気はする。沢田研二よりは阿部寛のほうが向いてる気もするが、ちとこの系統、阿部寛ひとりが支えているようででどうかなと。音楽が川井憲次なのは期待。11月19日からなんだけど、すぐ終わってしまう可能性もあるんで忘れず行かなくちゃだな。

なお「妖怪ハンター」も文庫本版で11月18日からでるらしい。。。うーん、ほとんど持ってはいるんだけど、「幻の作品「死人帰り」に加え、第1話もオリジナル版のプロローグを収録!」などと書かれてしまうと買ってしまうではないか。

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