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December 30, 2005

●悪女パズル

book-Quentin-01.jpg「本ミス2006」のほうで上位になっていて、黄金期の作品らしいので買おうと思って、徘徊したがみつからず。うーん、やはり私のように「本ミス2006」などみて買おうと思った人も多いのかな。というわけで大雪の金沢で妹に書店まで運転させて発見。大桑の「Imagine」はなかなか品揃えが良いね(超ローカルネタ)。

さて、パトリック・クェンティンの「悪女パズル」ですが、いやまずまず面白かった。私は途中でしかけがわかっちゃた(すなわち犯人も)んだけど、それでも小技がいろいろあって、「ほう」という感じで楽しめました。星3.5ということでで。

つくりは本当に古典的な推理小説の王道です。大富豪ロレーヌの邸に招かれた人々の中で殺人事件が?お客の夫婦の中の妻たちが順番に死んでいきます。事故なのか殺人なのか?というわけで、途中でわかっちゃったけどまずよくできているなと思いました。小物(ブタちゃんの貯金箱やマネキン)の使い方もおもしろいし、最後の一言の皮肉さがなかなか楽しい。トリックのことは・・・これは書くとすぐわかっちゃいそうなので、やめておきます。それほど論理的な推理小説というわけでもなく、伏線や味で読ませるので、クリスティーのファンには良いかもしれません。

滞在中の素人探偵ダルース夫妻についてはそれほど特徴的とも思わなかったんだけど、「パズル」シリーズで他にもでているらしいんで、この一作しか読めないとちょっと思い入れができなくて悲しい。

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