●巨匠とマルガリータ 第1の書
やっと念願のミハイル・ブルガーコフの「巨匠とマルガリータ」を読み始めた。。。が、まだ上巻。ブルガーコフは「悪魔物語・運命の卵」以来なんですが、もうなにがなんだか面白すぎる。第1の書では、モスクワに現れた悪魔が巻き起こしていく悲喜劇とイエスの物語が並置されますが、もう悪魔がひどいというよりも出てくる人々が自分で滅んでいく感じもあって、その姿はイエスを囲むエルサレムの人々の姿ともあいまって、星4つ。まだ4なのは、ここではほとんど主人公もヒロインもでてきてないんじゃよ。
という前編かつまだ話が始まる前のような状況なのに、もう狂騒状態なのは悪魔くんであるヴォランドとその変な手下たちががんばってくれるからなんだよなあ。面白すぎるが、こんな展開でいったいイエスの話がどうからんでくるのか、話自体着地するんじゃろかとわくわくものだ。
その悪魔にもてあそばれる人々の矮小さと悲しさとおかしさはゴーゴリの直系なのかもしれぬ。またソビエトの体制自体をパロディ化している部分もあるが、現代日本でも当てはまりすぎるので、逆におもしろかったりする。内容は本来悲惨なのだが徹底して喜劇のように書ききるのがすごいなあ。そのアイデアは前の「悪魔物語」に似ているところもあるけど、もっと徹底して喜劇をつらぬいているところがすごいね。構成も。。。つうか第1の書ではどうなるのか全くよくわからんのだよ。後半で星5つもあれば墜落みたいなこともありうるなあ。