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January 09, 2006

●ペネロピアド

book-Atwood-01.jpgオデュッセイアをやっと読んだので、封印していたフォロワー?を読み始める。大物はもちろんユリシーズなんだけど、最近でたマーガレット・アトウッドの「ペネロピアド」から。アトウッドは「侍女の物語」を積んであるけど読んでない。「良い骨たち+簡単な殺人」はぱらぱら読んだけど、おもしろくない。さて、というところ・・・なんだけど、これもぜんぜんおもしろくなかった。

なんか元を読んでいるときに想像(妄想)する範囲をぜんぜん超えていないし、ぎゃぐや書き方も上滑りっぽい。ま、そこが浅いと言いましょうか、これじゃちょっとね。オデュッセイア読んで自分で妄想しているほうが百倍面白いです。で、星1.5。アトウッド自体の評価は「昏き目の暗殺者」を読んでからにしようと思うけど、ぼくにはあわないかもね。

で、ペネロピアのほうから語り口は斬新なように見えて、内容が全然斬新じゃないのでバカ女のうざい戯言にしか読めない。つうかオデュッセイアを読みながら妄想した楽しさの一番つまらない部分を書いて喜んでいる感じ。こういうのはもっとオデュッセウス自身が海賊とか悪者とかテレマコスが実の息子ではなく後からの年下の愛人だとか、オデュッセウスは実は帰ってきたくないけど無理やり連れ戻されてペネロペの尻にしかれるとか、どこかで飛躍がないとちょっとなあ。書き方も全然おもしろくない。アトウッドなに考えて書いているのかまったくわからず。単なる金のためなのかなあ。きっと十二人の女中をコーラスラインにおくアイデアに自分で惚れこじゃったんだろうな。でもおもしろくないし。

ちなみに各出来事が本文に織り込まれて入るけど、記述的にまったく同レベルででてくるのでこれもつまらない。なんかもっとひねって組み込んでくれないと。もしかしたらアトウッド好きで読もうという人がいるかもしれませんが、各エピソードはオデュッセイア読んでないとわからないと思います。十二人の女中が括られたこと自体あらすじじゃわからんだろうしなあ。

コメント

こんにちは、すみ&にえさんの掲示板での書きこみを見てやってきました。以前にも何度か読書感想の記録は読ませていただいた記憶があります。読書傾向がわりあいと近く、興味深く読ませてもらっています。あの、もしやと思ったのですが、アトウッドとの相性というよりも、翻訳の鴻巣さんの訳文との相性がいまひとつなのかもしれませんよ。というか、わたしの場合は、鴻巣さんの翻訳とはどうやっても相性が最悪で、頭で読むと「きれいな翻訳っぽく思える」のですが、ふつうに小説・文学として読もうとすると、なんだかいちいち引っかかるんです。あくまで好みの問題ですが、アトウッドにかぎらず、鴻巣さん以外の翻訳者だと「好き!」なことも多いので、つい余計な口をはさんでしまいました。ではでは。またきます。

ももこさん、いらっしゃいませ。

読んでいただいてありがとうございます。そうですね、翻訳のせいもあるかもしれません。それだと「昏き目の暗殺者」も鴻巣さんなんでつらいかなあ。でも内容の薄さはそれだけのせいじゃない気もします。

また教えてくださいませ。

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