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January 27, 2006

●英国風の殺人

book-Hare-01.jpg国書刊行会のシリーズから。今頃という感じはあるが、シリル・ヘアーの「英国風の殺人」を読んだ。なるほどー、シリル・ヘアーも読もう、と思った。館モノといいますか嵐の山荘ものといいますか、定番の型ではありますが、この殺人は「英国風」であること。タイトルだけだと「英国式庭園殺人事件」を思い出しますなあ。LDで持ってるけど、DVD で買いなおしたいなあ。。。けどボックスで高いなあ。タイトル以外全然関係ないなあ。

話が脱線しましたが、ここでの探偵役はシリーズ物ではなく外国人のボトウィンク博士で、ちょっとポワロ風ですね。殺人のほうは、雪の山荘モノなので科学的な捜査は行えず、状況的なものではありますが、さてここでこの殺人が「英国的」なのはなぜでしょう。その理由が納得がいくかでちょっと評価はわかれるかもしれん。私は許せるほうで、星3.5です。英国風なシニカル?な感じのユーモアが好きなのだ。というわけでシリル・ヘアーも集めますぜ。

「ウォーベック邸に神のご加護を!」 クリスマスを言祝ぎ、シャンパンを飲み干した青年は、次の瞬間その場に倒れ伏した……。というわけで、老貴族、右翼よりの青年、左翼の大蔵大臣、有能な政治家の妻、伯爵令嬢、外人の歴史学者、執事とその娘、なんか典型的なパターンで典型的な事件です。が、ユーモアとシニカルを足した感じでうまく引っ張られましたわん。

シリル・ヘアーは法律家・判事ということで、法に関連したものが多いとか。この作品は「クリスティーの最上作を思わせる傑作」と評されていると紹介には書かれていますが、まあそこまでとは思わんけど、かっちりとした感じは、カーのぐだぐだ感とはちょっと違うなあ。こちらが好きだ。シリル・ヘアーについては「ただ一突きの・・・」「風が吹くとき」「自殺じゃない!」は入手したけど、「法の悲劇」は難しそうだなあ。

以降はほんの少し触れます。犯人には触れませんが。

クリスマスに起こった殺人なので「英国風」というのはクリスマスに関係しているのかと思ったら・・・違いましたね。この「英国風」の理由の途中までは読んでるときに想定できたんだけど、最後の政治的な部分を知らなかったので、なるほどーという感じです。犯人当てする人には知識が必要なので評価が下がるかもしれませんが、私自身は、またひとつ利口になって人間に近づいたなあ、ということです。

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