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March 12, 2006

●惑星大怪獣ネガドン

movie-negadon.jpg去年の暮れに出ていたようだが全く知らなかった。どこぞのBlogで見て、昨日ジュンク堂で見て、「惑星大怪獣ネガドン」のDVDを買ってしまった。本編25分しかないが、いやあおもしろすぎる。といっても昭和30~40年代の怪獣映画を見た世代でないとこの感覚は伝わりにくいだろうと思うけど。

「 昭和100年。人口対策のために火星を地球化する計画が進行する中、発掘してしまった宇宙怪獣ネガドンが日本に襲来する。もちろん防衛隊の攻撃は効かず、ロボット工学の権威・楢崎博士は自ら開発した巨大ロボット・MI6(ミロク)2号機で、単身ネガドンに立ち向かう。」のであります。まあしかしよくやる。しかし特撮部分(というわけ方がありなのかどうか)もあるけど、男の暑さが「昭和」という感じだったりして。街の風景も含めてそちらのほうが気に入ってみたり。

粟津順監督が一人で!?挑むCGによる特撮映画なんですが、作品中に実写映像は一切使われていないとのこと。カエルなんか結構きてます。最近のCGはやっぱりすごいなー。怪獣やロボットの特撮のよさもあるんだけど、怪光線のでかたや建物の壊し方、ロボットをみるアングル、雨の中の戦い(マトリックスか)など細かいところに美学と愛着とセンスを感じてしまう。あと、頭に書いたけど、昭和百年の背景設定がいい!寂れきった街の姿がなんだか心に残る。楢崎博士の戦いに挑む姿も昭和のドラマを凝縮した感じである。川北紘一さんのコメントはあんまり納得いかないけど。。。

映画としてはほんの25分だけど、蛾の飛ぶシーンや柱時計、雨、カエルなどなど、きちんと捨てカットが入っていて、見ているリズムとして気持ちいい。また音楽も無音部分、SEや会話だけの部分でためておいて、発進の音楽につなげるなど、いいなあと思った。この前TVで「キャシャーン」を見ていたんだけど、このあたりが大きく違っていて、こちらのほうは画像のセンスがあっても、どうも粗筋をつなげたようにしか見えず、しかも全部が決めカットのようだし、音楽もずっとうるさいので、強弱感がなくて逆に伝わらないんだと思う。画像・イメージのセンスがあるだけにもったいない感じ。そういう意味では、粟津順監督のほうがたった25分でしかも前編CGでもよほど映画映画しているのであった。Amazon のレビューでは「趣味性は理解出来るが、「作品」の表現手段として未消化なきらいは否めない。」とあったけど、ぼくは下手な商業映画よりは表現されていると思う。

で、特撮愛、なのはわかるんだけど、昭和百年の暗い設定が気に入ったので、京極堂もこれでやったほうがよいんじゃないだろうか。

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