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July 05, 2006

●パニックの手

book-Carroll-02.jpg昔ジョナサン・キャロルの「死者の書」でぐっときて「炎の眠り」でぐぉっっときて、でもその後はちょぼちょぼで、しかも売れていたのか「パニックの手」からは単行本になってしまったので、読まなくなってしまったのであった。で、その「パニックの手」が文庫本ででたので読んでみた。。。が、やはり、あんまりこないなあ。好きな人には申し訳ないが、やはり自分には合成甘味料のようにしか思えない。それでも「蜂の巣にキス」よりはもう少しきてるので、星2つくらいかな。

まず、変なことが起こるのに「神様」を持ち出しはじめてから、どの作品もそばにいるちょっと変わった神様みたいなワンパターンなのがつらい。また、少し長い作品でも中のエピソードが単発的で、小物を効果的に使えないんだよね。。。で、短編にするとどうかというと短編奇想部門は競争が激しいうえに、わたしゃこれならコルタサルやボルヘスの短編を読み返しているいいなあ、と思った。そうコルタサルをライトノベル化して超訳にしたらこんな感じになるのかな。翻訳のせいか体言止が続くのもうんざり。

で、落ちがないって書いてあるやつはできの悪いミニマル小説のようで、これは、苦笑しちゃいますです。幻想文学大賞つうのも苦笑いで、なんか別の意味で悪夢を見ているようだ。まあ「黒いカクテル」は、もういいよな。基本的には壮大なアマチュア作家という意見はあんまり変わっていません。

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