August 29, 2006

●琥珀捕り

book-Carson-01.jpgなんといってよいのか、小説なのかはたまた究極の語りなのか、キアラン・カーソンの「琥珀捕り」は、琥珀やオランダや人魚やその他いろいろなものへの薀蓄と物語の一大交響楽である。拡散していく語り(=騙り)のなかに、陶酔するのがよかろう。Aの副題から始まりZの副題で終わるこの小説はしかし終わりがあるわけではなく、細やかにつながる物語とイメージの中で新しい物語を読者の中で産み増やしていくに違いない。

さてこの迷路のような物語をただただ酔いしれるのも良いけれど、より味わうには、フェルメールの絵画集、ローマ・ギリシア神話の本などをちょっと横に積んで、暑い昼下がりに京都の和菓子(この和菓子に関しては後で触れることとする)など準備して、思うがままに1章づつ、読み終われば思うがままに読み返すのが良い。私としては4.5、他の好事家にはぜひ押し付けたいと思うのである。物語の迷宮に酔いしれよ。

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August 27, 2006

●Pulse

DVD-PinkFloyd-Pulse.jpgPinkFloydのPulse、昔VHSで持っていたけど、そりゃ買うでしょう。で、もうすぐ日本盤がでるのですが、このDVDは発売がのびのびになっていて、Amazonでがまんしきれず輸入盤を買っちまった。Amazon自体の記述ではリージョン1となっているので、まあ自宅輸入DVD用マシンで見られればいいや、そうなら邦盤も買うし。。。とか思っていたのですが、うれしいことにリージョンフリーみたいで、他のプレーヤーでも再生できています。京都にいても観れたのね。

このときは「対」(というよりは Division Bellのほうがおさまりがよいけど)を出した後のツアーで、後半「狂気」のまるごと演奏で狂喜したつうもんです。ライブももうこの巨大さを日本で味わうのは無理でしょうねえ。。。前半の新曲(当時)やウォーターズ脱退後の曲ではちと会場の盛り上がりがさびしいけど、結構良い曲がそろっていると思うよ。しかし付録も含めてこの量・質でこの値段は安いなあ。

個人的にはその前のライブの「光」もLDで持っていて、これはこれで結構好きなんでDVD化して欲しいけど、まあ似たような感じなんでちょっと無理かなあ。でも。。。

で、「Pulse」は邦盤は「驚異」というタイトルだそうで、訳のわからんのはいつものことだが、今回はそのままで良かったのでは。

August 24, 2006

●冥王星

どうも冥王星が惑星からはずれるらしい。うーん、ホルストの「惑星」どおりになりますなあ。最近マシューズの「冥王星」をつけたCDが増えているんだけど、どうなるんだろう。そういえば最近ラトル&BPOでもマシューズの冥王星付ででていたけど、ちょっとあだ花っぽいかな?まあラトルの演奏はあんまり私の好みではないんだけど、この話題で「惑星」がどうなのか聴きたくなったなあ。。。でもEMIだしなあ。。。

August 20, 2006

●裁かれる花園

book-Tey-04.jpgジョセフィン・テイ を続けて読んでいる。昔はほとんど「時の娘」しか読めなかったけど、今は全作品(といっても8冊ですが)が邦訳で読むことができるとはよい時代になったのう。これも論創社さまとハヤカワさまのおかげです。 私はこれでやっと 5/8 テイ。もう3冊で在庫が尽きるかと思うとちょっと悲しい(あ、「時の娘」は読み直すつもりだから4冊か)。

さて、「裁かれる花園」はグラント警部ものではなく心理学者ルーシー・ピムが主人公となっています。確かに設定上グラント警部では無理だわな。まあ無理に顔出したりしないところにも好感がもてます。 アマゾンの評などで「アンフェアかも・・・」とか書かれていますが、この小説は謎解きではなくましてパズル小説ではないので、アンフェアとかいう類の人は読まない方がよいでしょう。どちらかというと学園心理小説で展開を楽しむみたいな感じだし、心理学を茶化した本みたいに思った方が良いと思う。というわけで、ミステリとして読むなよ、というのも入れて星3.5。

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August 17, 2006

●現実逃避はWizardry

Game-Wizardry-01.jpgうーん、まあ自宅のPCについては、音楽用PCのために機材を一新し、現在の音楽用PCを普段利用用に改造するのが一番リーズナブルだが、そのためには1週間程度自宅にいないとやる気が起こらず、それは年末かなあ。。。ということで、放置プレイかなあ。それまでMacBook かなああ。。。しかし、きっとMacBook買うと京都に持ってきそうだからバックアップにはならんなあ。。。で、このことはどうしようもないので現実逃避をするのである。

なんか結局いつものごとく Wizardry をやり始めている。うーん、「英雄伝説VI SC」終わってないんだけど、熱が少し醒めちゃったな。というわけで「ウィザードリィ・外伝 五つの試練 FIVEOrdeals」である。前の戦闘の監獄はプロテクトがとても不満だったが、今回は少し変わってネットワークプロテクト。まあ良いかな。内容はよくある複数のダンジョンを順番に・・・ではなく、本当に5種類のシナリオを選択してスタートするのである。初手からシュートで3Fに落ちて、帰り道を求めているうちに2名脂肪・・・もとい死亡など、相変わらず過激である。でもそれがよいのだ。今回は職業や種族など本当に#1に近いな。

August 16, 2006

●キューブPC死亡の予感

うーん、メインで使用していたキューブPCの電源を入れるときに亡くなった予感。。。明日(というかもう今日ですわなあ)朝には移動準備なので触れません。ちょっと困ったな。

HD死なれるととっても困るんですが、今回は電源かヒューズがいっちゃった感じですねえ。でも触っている暇はないので、当面放置プレイですが。これは私にMacBookを、という神の声でしょうか。神の声はいたるところにあり。

August 14, 2006

●さようなら、いままで魚をありがとう

book-Galaxy-04.jpg続いてダグラス・アダムスの「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズの第4弾の「さようなら、いままで魚をありがとう」を読みました。ちょっと今回は雰囲気が変わって地球上・・・っぽい。もちろんいろいろあるけど基本は恋愛ものみたいな感じだ。じゃあだめかというとけっこう面白い。ちょっと皮肉の効いた書き方が好きなのだ。

だけど、もうシリーズものだということを考えると、ちょっとばかし今までの登場人物とかやはり物足りないところもあるし、ちと書き方のパターンも見えていることもあって、星3.5ということで。このあたり、短時間で書いていることもあるのかなあ。手癖というかギャグやひねりの書き方が少しパターン化されてるんですよね。

あと「彼」の最後のシーンは悲しいといって良いのか、うーん、複雑な心境。もっと活躍してほしいよねえ。アーサーよりも。

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August 09, 2006

●THE BEATNIKS

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この春からちょっとだけJ-POPも買ってみました。ウタダはウタダ、まあよかったんですが、伴ちゃんはあんまりぱっとしないなあ。アンジェラアキにいたっては個性も弱く旋律の練りこみも安直でワンパターン、イエイエっていっているだけのようでした。で、同時期に買ったのですが、今頃The Beatniks のCDを聴いています。 もちろん高橋幸宏つながりなわけですが、これがJ-POPとして聴くと、なんともいい!(カテゴリーはテクノにおいておきますけど)。やっぱ技巧派オヤジはかっこいいです。

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August 07, 2006

●金沢21世紀現代美術館など

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金沢へ1泊2日で、ちょっと妹たちの世話を受けて西田幾多郎記念哲学館と金沢21世紀現代美術館をみて回った。

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August 02, 2006

●シャルビューク夫人の肖像

book-Ford-01.jpgジェフリー・フォードは「白い果実」を積んであるんですが、三部作ということでできればそろってから読みたいのだがいつになることやら。さて、そうして待っている間に「シャルビューク夫人の肖像」というのがでてしまいましたので、こちらから読んでみました。ランダムハウス講談社なんてのがあるんだね。

さて、幻想文学かというとそういう感じもむんむんで、途中の語り具合や広がりはけっこうよかったんだけど、最後はちょっとありきたりかなあ、ということで星3つ。ちょっと厳しいかな。でも幻想文学を期待するとちょっとつらいかもしれないので、普通の海外小説として読むほうがよいと思う。幻想文学的な視点では、最後は向こう側に着地するかこちら側に着地するかというと、こちら側に着地しちゃったので、私の好みからはちとはずれるかも。私個人的にはあちら側に着地するか、そもそも着地しないものが望まれるのだ。

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August 01, 2006

●宇治

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今日は有休なので三条あたりでのんびりと思ったのだが、昼に家を出たら天気がよいのでやはりどこかへいきたくなった。で、いくつかは候補もあったんだけど、部屋を出てしまったので地図などもなく、わかりやすいほうへということで宇治に向かうことにした。が、恥ずかしながら源氏物語読んでないんだよ。よんどきゃよかったね。

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