« LOVE | メイン | この本格ミス2007+このミス2007 »

December 03, 2006

●降霊会の怪事件

book-Lovesey-01.jpg前のフィリップ・マクドナルドでちとがっくりきたので、もうちょっと(自分として)推理小説っぽいものを、ということで、なぜかピーター・ラヴゼイの「降霊会の怪事件」となってしまいました。なぜに。ラヴゼイも読むのはずいぶん久々だなあ。。。

それはさておき、不満分を解消して、やっと一息ついたよー。ヴィクトリア朝ものなんですが、プロットといい、クリッブ部長刑事とサッカレイ巡査のコンビといい、トリックといい、犯人像といいなかなか良い雰囲気でございました。つうか客観的にあるべきところにおちつく解決が良いなあ。まあ事件自体の構成はちょっと危ういところもあるけど、これはプロット上しょうがないかな、というわけで星3.5でございます。

クリッブ部長刑事&サッカレイ巡査ものはもう少し読みたい気になってきたのであった。

ピーター・ラヴゼイのものは「偽のデュー警部」とか「苦い林檎酒」とか読んでたんだけど、その当時はちょっと軽い感じで(「苦い林檎酒」なんかプロットは結構苦いんだけどね)、その後読んでなかったのでした。きっと「マダムタッソーがお待ちかね」も読んでいるんだけど、そのころはクリッブ部長刑事だったとはわかってなかったのであった。でも、最近イギリス的なちょっと皮肉っぽいというかしゃれたというかそんな感じが気に入っているので、ピーター・ラヴゼイのよいかもしれんなー。

で、「降霊会の怪事件」なんだけど、ヴィクトリア朝の雰囲気もクリッブ部長刑事とサッカレイ巡査のコンビも気に入ったのでおもしろかった。また、最初に書いたようにプロットも考えられていて良かった。なんといっても変な意味での偶然がないことが大きいと思う。最初偶然に思うことも、けっこうきちんと納得です。また、各キャラクタの設定と、その行動が心理的に納得できるのも大きいなあ。なんせマクドナルドのものはこのあたりがぐだぐだでしたから。まあ時代的に無理もあるけど、けっこう作家の資質にもよると思うんですよね。事件全体については大きな意味での偶然もあるんだけど、それはプロット上しかたないのと、まずまず心理的に納得かつ犯人像が好きだから許しますです。

つうわけでクリッブ部長刑事とサッカレイ巡査ものもう少し読もうかなと思うんだが、やはり手に入らないものが多そうだ。「絞首台までご一緒に」を買ったんだけど、これはやはり「ボートの三人男」を読んでからにしよう。

さて、年末ということでそろそろ「このミス」とか「本ミス」とかがでるので、それをみて読んでいないのを補っていかなくちゃ。

コメントする