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January 27, 2007

●オックスフォード連続殺人

book-Martinez -01.jpg最近ぬるんで純文学っぽいのは読んでいない。今回も「本ミス」で評価の高かったものから趣味にあいそうなものとして、 「オックスフォード連続殺人」を。ギジェルモ・マルティネス、、、知らんです。「殺人予告、暗号、数学論議、迸る知的興奮。アルゼンチン発驚愕の超論理ミステリー」というのにひかれたんだが、確かにゲーデルなどはいっておもしろかった。どちらかというと不確定性理論・・つうかクイーンの後期問題に近い気もするけど。

で、読むと解説にあるように「?」「?」「?」。いや内容がわかんないわけじゃなくて、これってまさか。。。で、その後に解説を読んでなるほどと思った。完成度はこちらのほうが高いような気がするので「?」の意味がわからずに、これを最初に読む人がちょっとうらやましいね。

さて予告連続殺人事件でなんですが、このパターンはさすがにいろいろあるので推理小説愛好家にはある程度プロットがわかるかもしれない。そういう意味では、原題のほうが雰囲気がでてちるんだけど、一般に売り出すには確かに難しいかな。でも、数学ネタ(論理学やとくにフェルマーの定理の事件)や架空の演奏曲も含めて、その場の設定が面白いし楽しめるのである。またトリックは?だとしても心理的に納得いくので私としてはそのほうが好きだ。また、もともと推理小説畑の作家ではないらしく、おちゃめにブーツァッティの「七階」なんぞがでてくるので、そういうところも楽しい。

どうも映画化されるらしく、ウィリアム・ハートやイライジャ・ウッドが出るようである。でも筋がわかっちゃったしな。上記のお遊び的な雰囲気がそろっているようなら観に行きたいかも。

しかしさすがボルヘスの国、アルゼンチンおそるべし。そういえばボルヘスの「死とコンパス」にも比べられてる部分があったですな。もう「伝奇集」もほとんど覚えていないし、この機会に読み直そうかな。

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