●アイノラ抒情曲集
吉松隆氏の・・・というよりは舘野泉氏のピアノが緩やかでよい。まだ左手だけであるようだが、ほんの少し右手も添えられているとのこと。舘野泉氏の「アイノラ抒情曲集は美しい野の花を束ねたように、優しく静かな光を放っている。」という言葉がすべてを語っているようだ。。。いや、語る必要はなく、ただ聴けばよいということか。
殺伐とした事件が続き、たとえ事件ではなくても東京への往復で多くの人の無神経とモラルの低さにうんざりしてきた私としては、あまり人間の価値なんて認めないんだけど、それでもまだこのような演奏を聴くとそれはそれでどこかに意味があるのかもしれないと思ったりする。 でもきっと美しさには意味なんかないし、へたに意味なんかないほうが心に響くのだろう。【2007/4/23本文に追加】
舘野泉氏と弟子の平原あゆみさんによる1手、2手、3手によるピアノ曲集。響きが泣けるほど美しい。こういう演奏はSACDである価値があると思う。春の夜にひっそりと聴くと染み渡る。いやきっと冬の夜でも染みるだろうけど。「アイノラ抒情曲集」のアイノラはシベリウスが晩年をすごした山荘の名前である。他に「4つの小さな夢の歌」「プレイアデス舞曲集4」「ゴーシュ舞曲集」など。 舘野泉氏と吉松隆氏のCDでは確か「タピオラ幻想」も買ってあるはずなんだけど、聴かないままになってたなあ。探し出して聴かなくては。
【2007/4/23追記】
私がたくさん戯言を書くよりも吉松隆氏の文章があったのでリンクしておく。公開されているものなので問題はないと思うが。ますます「タピオラ幻想」探さなくては。
吉松隆氏のCDとしては「星夢の舞」も最近聴きました。これは筝など邦楽の楽器を使用したもの。そういえばどちらも撥弦楽器系だなあ。響きの音楽というと言いすぎだろうか。吉松隆氏の曲も同工異曲の感もあるけれど美しさは捨てがたい。
ただ、今の技術から行くと、こういうCDこそSACDにしてもらいたい。価格の問題かなあ。。。やはりオーケストラよりはこのように「響く」音楽にこそ適切な技術なのに。。。そういえば池袋HMVとかのSACD試聴機はハム的な雑音が聴こえるのでSACDの試聴としては反対効果ではないだろうか。