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May 06, 2007

●ウォンドルズ・パーヴァの謎

book-Mitchell-03.jpgまた風邪をひいていたため(本当に風邪なのか?)、体調不良。今日の朝がしんどかったが夜には少し楽になったが、明日から働きたくない病かもしれない。休み中は映画一本観に行ったけどあとCDの買出ししかしなかったなあ。いや実はスピーカーを中古で買いました。PMCのTB2SMというやつで、ちと傷が多いので安かった。

さて、本はあいかわらず推理小説系のみ。グラディス・ミッチェルの「ウォンドルズ・パーヴァの謎」を読んだ。いや、こいつがおもしろい。事件が、、ではなくて、出てくる人々の語り口が最高である。こういう読み終わるのがもったいないのがまだまだあるんだね。グラディス・ミッチェルだけでも60冊以上未訳なわけだし。

ブラッドリー夫人あいかわらず笑える。今回の手記も最高です。

もう読者のことがよくわかっているというかこう来るだろうと思うところを見事にはずして、事件が曲がりまくるところはまさに英国ファルス派の代表である。

まずは弁護士がウォンドルズ・パーヴァに赴くのだが顧客セスリーの姿は見えず、従兄弟のジムは明らかに挙動不審。セスリーは朝早くアメリカに発ったというが、さて。その翌日、肉屋の精肉部屋で鉤に吊るされた首なし死体が発見されるが、切り取られた頭はどこにも見つからない。少しして崖の穴から頭蓋骨が発見される。あるアマチュア芸術家が粘土で復顔するとセスリーそっくりの顔が現れる。しところがどっこい、頭蓋骨は何者かに持ち去られ、代わりに粘土のなかにココナツが入っていた!

という風に事件は進んでいくが。本当に進んでいるのか?これが着地するのがすごいね。またブラッドリー夫人はあいかわらずおもしろい。アガサ・クリスティーのミス・マープルの反影響を感じるけど、ミス・マープルの「火曜クラブ」あたりが1927~8年だけど長編の「牧師館の殺人」は1930年で、ブラッドリー夫人の長編より後なのね(本作は1929年)。だいたいこの頃のクリスティーはまだ良いとは思えず(変な偶然やどうでもよい偽の手がかりなどが多すぎる。アクロイドだってそうだしオリエント急行でさえそうだ)、この時期は確実にグラディス・ミッチェルのほうが上じゃないかなあ。もしクリスティーが読者のことを考えずに好きに書いたらマープルもこんな風にならなかったかね。

それにしてもあと60作以上翻訳されていないのが悲しい。生きているうちに読めないかなあ。

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