August 30, 2007

●チャパーエフと空虚

book-Pelevin-04.jpg下期はもう少し本を読みたいと思いながら、結局時間がかかってしまいました。ペレーヴィンの本を読むのは4冊目だけど、考えてみるとまともな長編はこれが最初かもしれない。でも「チャパーエフと空虚」 はおもしろいぞ。

そういえば 前にフロイドの心理学は20世紀最大のおもちゃかもしれんと書いたが、哲学は世紀を越えた究極のおもちゃのような気がしてきた(宗教もそれに近い気はするが)。そうだよな、学問とかというより人それぞれだから、いくら純粋知性とかいっても最近の街の人々見てると純粋痴性とか純粋稚性つう感じだし、まあそれぞれが自分はこんなんだよんというだけじゃなかろうか。

もちろんそういう部分だけがこの小説の中心ではなく(中心は空虚なのだ)、展開やストーリーというかつくりがうまい!また、この手のメタフィクションにはめずらしく最後がさわやかな感じだ。

続きを読む "チャパーエフと空虚"

August 26, 2007

●ベクシル -2077 日本鎖国-

movie-Vexille-01.jpgで、暑さで気が抜けて映画を観る。「ベクシル -2077 日本鎖国-」はフル3DCGなのだが声はまだ違うのね。ハイテク鎖国10年後の日本に潜入する構想や設定は非常におもしろい。また、CGも前の「AppleSeed」より格段に上がっている気がするし、結構好きだ。ただ、砂虫君など過去のいろいろな作品の影響というか安易なまねのように思われる部分も多い。

また、こういう話なので人間的などろどろを物語に盛り込みすぎのような気がする。もう少し薄味のほうがよかった。人間関係をだすには表情が弱いので(やはり微妙に違う)もっとアクション中心でスカッと行ったほうが良かった。

で、大きな設定の嘘は良いが細部がぼろぼろなのでその部分が気になる。砂虫君横に20mも飛べないくせに、最後は240階まで飛びますか?テクノロジで遅れた米国で個別生体反応が見えるのに、壁の外でバギーで走り回ってもほったらかしですか、生体金属になっても銃で死ぬならメリットは何よ、など、SFって大きな嘘を細かいリアリティで埋めていかないと話自体が思いつきの子供向けの寝物語になってしまうのだが、そのあたりの脚本が弱すぎると思うぞ。

August 25, 2007

●ビックカメラ京都店

070825-01.jpg

まだ忙しいが、この週末はぐれて休むのであった。さて京都で久々なの休日なのだが、ビックカメラに行っているあたりが悲しい。ビックカメラ京都店が22日に開店。うー、やはり人が多い。。。くそ暑いのに。他にも近鉄プラッツ後にヨドバシカメラ、九条に上新電機といろいろできるらしい。まあしかし交通の便の良いところにできるのはうれしくはあるが。昔は寺町電気街まで買出しにいったもんだが、寺町のほうはますますさびれるだろうなあ。

MOVIE COWBOY というメディアプレーヤーを使用しているのだが、新型が出ているのでHDDのサイズ拡大のつもりでいっしょに書いたいと思ったがなかった。やはりこの手のものは秋葉原でないと難しいかな。

August 18, 2007

●ドニー・ダーコ

DVD-DonnieDarko.jpgお盆は東京に帰って少々家の整理をしているが暑すぎる。で、ぐったりとするだけでもう休みも終わりそうなんだけど、散髪して携帯をW54Tに替えたくらいかな。もう少しまとまった時間が必要である。

さてリンチの映画で観たのだが、ウサギ人間といえばやはりこれかな、ということでDVDで「ドニー・ダーコ」を観た。17歳のドニーの家に飛行機のエンジンが落下し、銀色のウサギが「あと28日6時間42分12秒で世界が終末を迎える」と予言する。ドニーの周りではなんだか不穏な雰囲気が・・・2001年のサンダンス映画祭を沸かせ、世界中で熱狂的なファンを生み出した衝撃的リバースムービーということだが。

続きを読む "ドニー・ダーコ"

August 15, 2007

●Wii

Game-Wii-01.jpg今日ビックカメラへ買出しに行ってみると、Wii が入荷していたので今頃ではあるが購入してみた。つうか前にも入荷に出会ったことはあるんだが、ちと運動しなくてはという気になってきたので、「Wii Sports」 と 「はじめの一歩 Revolution」を同時に購入。体もつかなあ。飽きるだろうなあ。

「Wii Sports」 でテニスとボクシングをやってみたが、なかなかおもしろいね。筋肉痛になりそうなので、よい運動かもしれない。確かに動きに反応するコツがまだわからなくて筋肉ガチガチです。ちょっと秋に向けて続けられるとよいのだけど。。。飽きっぽいからなあ。。。

いきわたり始めたのか、少なくとも今日はAmazonでも在庫ありなっているなあ。

August 12, 2007

●2007夏のプログレ

CD-Anekdoten-03.jpgCD-Conspiracy-01.jpg

この夏発売というわけではないんだけど、最近買ったものを。Anekdotenの新譜「Time of Day」がいつの間にかでていた。まだ1,2回しか聴いてないのでそのうちころっと変わるかもしれんが、安定したレベルの高さだけど、前作のようなきらめきというか危うく美しい瞬間がない気がする。ベルセルクでグリフィスが「捧げる・・・」とつぶやく瞬間のようなやつだ。 そういうのが今回はちょおっと物足りない。

もうひとつは新譜ではなく2003年のものだけど、Conspiracyの「The Unknown」を今頃買ってみた。グループ名だけでわかる人は偉い!が、これはクリス・スクワイヤとビリー・シャーウッドのユニットである。アラン・ホワイトの「White」よりは好きだが、やはりこの二人だとぎんぎんロックよりで幻想性は少ない。まあ栗栖さんはこういうごりごりが体質なんですよね。これは妹のところ行きかなあ。

他にもRATIONAL DIET(ベラルーシのチェンバー系ユニット)やTownscream (Verdes Csabaのユニット、あのAfter Crying 3rdを思わせるぞ)など購入。でも最近は80年代ロックやAOR系を集めなおしていたりして。

August 08, 2007

●第503回京都市交響楽団定期演奏会

ちょっと今日は早めにぬけて第503回京都市交響楽団定期演奏会へいってきた。北山でも暑いなあ。。。

広上淳一氏の指揮でラヴェルのツィガーヌ、レシュノフのヴァイオリン協奏曲(日本初演)、ワーグナーのジークフリート牧歌、R.シュトラウスの死と変容である。あー、来年からは広上淳一氏が2008年4月から常任指揮者になるらしい。

続きを読む "第503回京都市交響楽団定期演奏会"

August 04, 2007

●INLAND EMPIRE

movie-INLAND EMPIRE-01.jpgリンチ風といえばデヴィット・リンチの新作が公開なので観てきた。180分間ノンストップのどこを切ってもリンチなので体力が必要である。筋は・・・たぶんわからん。一応自分の中ではロストレディの想い中心にそれなりに勝手に解釈を作ってきたが、まあ「わかる」必要なんかないわけで、とにかくリンチ・ワールドに身をゆだねるしかない。で、好きに解釈するしかないので、自分で物語を作り、ローラ・ダーンとロストレディの抱擁のシーンで感動し夫と子供が戻って来たところで涙することにした。

どうも現実と映画の中、ポーランドでの過去と映画の中が交わり、それにウサギ人間の部屋を通して5重の悪夢の世界は、今までのリンチで観た表現も多いなあ、と思ったがやはりリンチはおもしろい。

そう、コルタサルの初期短編をみっちり3時間に詰め込んだ感じでもあるかな。特に「遠い女」を思い出した。詩的な雰囲気には相当違いがありますけどね。 いや、構成的にはエリクソンのほうがアメリカ的だし近いかな。ねじれ具合の完成度は「Xのアーチ」なんかを感じさせるが、特に完成しなかった映画とその夢という感覚は「彷徨う日々」に近いかもしれん。

●赤い右手

book-Rogers-01.jpgジョエル・タウンズリー ロジャーズつう作家は知らないんですが。。。

「赤い右手」はカルト的な作品ということで読んでみましたが、確かに怪作。いやあ読み始めてしばらくは日本の「新本格」のできの悪いやつみたいなにおいがプンプンで、おいおいと思っていたのですが、途中からはなんだか無理やりはめられました。技といえば技なんだけど、柔道で力だけで押し倒されて押さえ込まれた感じだよ。でもおもしろかったからまあいいけど。

信頼できない語り手を使ったこのトリックはなかなかおもしろい。もちろん、読み終わって冷静になれば「ありえねー」なんだけど、この脳が溶けたような語り口がまるでデヴィッド・リンチの映画の中に迷い込んだような危うさでよい。そう、これも人外系だなあ。。。いかん、いかん。