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August 04, 2007

●INLAND EMPIRE

movie-INLAND EMPIRE-01.jpgリンチ風といえばデヴィット・リンチの新作が公開なので観てきた。180分間ノンストップのどこを切ってもリンチなので体力が必要である。筋は・・・たぶんわからん。一応自分の中ではロストレディの想い中心にそれなりに勝手に解釈を作ってきたが、まあ「わかる」必要なんかないわけで、とにかくリンチ・ワールドに身をゆだねるしかない。で、好きに解釈するしかないので、自分で物語を作り、ローラ・ダーンとロストレディの抱擁のシーンで感動し夫と子供が戻って来たところで涙することにした。

どうも現実と映画の中、ポーランドでの過去と映画の中が交わり、それにウサギ人間の部屋を通して5重の悪夢の世界は、今までのリンチで観た表現も多いなあ、と思ったがやはりリンチはおもしろい。

そう、コルタサルの初期短編をみっちり3時間に詰め込んだ感じでもあるかな。特に「遠い女」を思い出した。詩的な雰囲気には相当違いがありますけどね。 いや、構成的にはエリクソンのほうがアメリカ的だし近いかな。ねじれ具合の完成度は「Xのアーチ」なんかを感じさせるが、特に完成しなかった映画とその夢という感覚は「彷徨う日々」に近いかもしれん。

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