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October 21, 2007

●天帝の愛でたまう孤島

book-Mahoro-03.jpgえー、こんなに早くでちゃうんですかあ。。。古野まほろの「天帝の愛でたまう孤島」は、推理小説会の有閑倶楽部、まほろ一行の今回は「クローズド・サークル」ものです。で、今回は柏木君があまり登場せずに(理由はある)、女性陣総出演です。萌えー。有栖川有栖の「女王国の城」はバブルの頃の描写がとか書かれているので読む気にならず。

萌えーはよいのだが、ちと無駄な要素が減っているのが悲しい。無駄な知識の羅列と言葉の弄びが楽しいのになあ。 まあそれでもいつもの歪んだ構成は今回もいっちゃってます。でも屋敷の謎は・・・デジャブ?まあしょうがないかな。 背表紙には三部作と書かれていますが、勁草館シリーズ終わるんでしょうか?でも壊れた関係だしなあ。。。

前に読んだ米澤穂信さんの「インシテミル」といい、古野まほろの作品群といい、完全に「新古今和歌集」的な第3の波みたいな感じ。事件のリアリズム性(感覚的なものだが)と黄金期の作品群のコラージュのバランスで成立するのがこれまでの作品だとすると、これらは完全に先行する作品群が作り上げた「推理小説」という世界の中での感性の遊びなのであって、それはそれでおもしろいのであるが、結構知識を要する世界でもある。そのうち作品の解釈は一子相伝とか口伝とかの世界になったりして。

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