« 激情ギターラ! | メイン | ラフマニノフのピアノ協奏曲第5番 »

March 20, 2008

●ビーコン街の殺人

book-Scarlett-03.jpg

フローラとゴーギャンの物語が進まず、ロジャー・スカーレットの「ビーコン街の殺人」 に逃避。古さは感じるけど、堅実な感じでバントの得意な2番バッターみたいで、欧米で忘れ去られているが日本で人気があるのもわかる気がほんの少々。

「ビーコン街の殺人」 はロジャー・スカーレットの最初の作品で、堅実にまとめたなあという感じです。「猫の手」や他の作品と同様に屋敷物とでもいえばよいのか、とても古典的な設定です。。。といってももちろん1930年の作品なのでしょうがないですね。好きなのは細かい設定がある程度納得いく形で回収されることかな。心理的にある程度納得いくことも重要。

動機は関係ないというパズラーの方もいらっしゃるだろうが、私はぐーたらに小説として読んでいるので推理パズルをやってるのではないだから、やはり心理的な納得度は重要である。逆にそうであれば、ある程度論理を踏み外していてもよいのだ。もっとも「ビーコン街の殺人」 が大傑作かというともちろんそんなことはまったくなくて、佳作かどうかも怪しいのだが、日本作家の推理がすべて(でもトンデモ推理だよ)よりは楽しめているのだろうと思う。

白魔が訳されないかなあ。エンジェル家も入手しそこなって三角館でがまんしているので読み直したいものだと思う。

コメントする