●塵よりよみがえり
ジョージ・ヒルの「20世紀の幽霊たち」を読み始めて、うまいなー、作品としてはおもしろいなーとは思ったものの、どうも私の体にはあわないので3,4短編でやめてしまった。
そもそも具体的なホラーというやつがあんまり好きではなく、ついていけるのはポーとか「宇宙的恐怖」でありますラブクラフトなんぞですので、とてもモダンホラーにはだめだめな人間なのであります。そう、体が求めているのはダークファンタジーである。
というわけで自分的お口直しにレイ・ブラッドベリの「塵よりよみがえり」を読んだら泣けた。私の体にはこれだよ。
「塵よりよみがえり」はあの「一族」の物語です。ブラッドベリはこの本書くのに55年かかっているけど、こっちも「集会」を読んでから30年。で、なんだか泣ける。人間ではない一族の話なのになぜか今の人間たちよりとても暖かいのです。しかも「集会」とか萩尾望都の印象が強いからなあ。でも今の絵柄で全部やってくれても買うぞ。あぶな坂ホテルもいいけど。
登場人物がまたよい。おばあちゃんもアイナーおじさんも魔女のセシーも。。。でも「集会」で泣いていたティモシーが、最後に強く自分の生き方を選ぶのは、これもなんだかいいね。時間がかかったけどでもいまだから感動する部分もあるのです。やっぱり私はロマンティストなのだ。
久々にまたいつの日か読み返したいと思うのであった。