● 秋期限定栗きんとん事件
あんな別れ方をした小佐内さんと小鳩くんですが、今回はそれぞれ彼と彼女ができて。。。ますが、もちろんほのぼの青春ものというわけにはいきません。「普通の彼女」とつきあう違和感がなんかうまく出ていて、放火事件自体より楽しかったりして。
事件自体も犯人もだいたいわかるけど、小説としての醍醐味は小佐内さんの最後の一言なので、全然問題なし。ただし、瓜野くんの部分は構成上仕方ないのかもしれないけど、グレッグ・イーガンの短編の主人公みたいでちょっとひけちゃう。もう少し高めに設定してもよかったのでは。このあほさ加減では小佐内さんの残酷さがちょっとぬるく見えてしまう。
で、他のあるサイトで、この二人が人間未満とか、小説内に書かれている「人間失格」をなんかそのまま受け取ったみたいに書いているのもあったけど、なんか瓜野くんの感想文みたいで二重に笑える。人間失格つうのは一般小市民が人間未満のレベルにあるのを一歩超えちゃっているけど、三歩超えて人間未満と折り合っていけるほどではない、ということだ。というわけで私の心情はもちろん小佐内さんと小鳩くんよりである。今日も「桜かもすぞー」という低レベルのホモサピ菌を大量に見てきたので、書いていることも人間失格的だ。
というわけで冬期限定にも大期待なのであるが、ひとつ盛大に「人間失格」してもらいたいものである。