●乱鴉の島
あー、有栖川有栖さんのはね。。。火村シリーズはね。。。私、全然かってないんですよ。これが本格だといわれるとね、なんだか悲しい。が、本ミス1位だったのでさすがに少しはやるのかと思って読んでみたがこれはひどい。
飾り文句はね。「絶海の孤島、隠遁する作家。謎のIT長者、奇怪な殺人事件、精緻なロジック、エレガントかつアクロバティックな結末、ミステリの醍醐味」 とありますが、奇怪でもなんでもないし、事件もしょぼいし、推理もしょぼいし、全部偶然だし、アクロバティックじゃないし、動機もひどいし、雰囲気はないし、書いてるそばから自らぶち壊してるし、もう本当に Nevermore ですよ。一応最後になにかあるのかと思ったらなんにもないし、なんじゃらほい。まあ作家責めるよりこれを1位に選んでしまうほうがもっとひどいな。どこか良いところを探すと・・・装丁だけはかっこよいと思う。。。
鴉飛び交う不気味な島でバードウォッチングで息抜きですよ、おいおい。電話線一本の孤島で8年も前からインターネットですよ、もしかして十年先のはなしなんでしょうか。で、これだけ偶然重ねておいて「リアリズム」がどうたら自己批判的ギャグだとしてむサムすぎる。推理小説が一般小説であることは望まないけど、最低限のイメージの統一や世界観はほしい。結局作者がきっと感じて欲しかった種類の感動なんてものは2時間ドラマほどにも感じることができず、読むそばからしらけていく感じである。で、それがないとすると2ページほどの推理クイズの内容しか残らないのだ。
また探偵役の火村と語り役の有栖のレベルが低すぎる。会話のセンスに全然リズム感がないし、聞き役があほすぎて全然探偵がすごくみえない、、、つうか探偵でも普通以下にみえちゃうのは私だけだろうか。でてくるネタのセンスも、よく知らないけど本に出てましたレベルなんで読んでいて痛すぎる。一応最後に驚愕の・・・があるかと思ってなんとか最後までいったがそこで何もなくて、もうぶっ倒れた感じです。ヒドイ。なんでこれが本ミスで1位なのか理解しかねる。まあその人たちが「本格」をそういう意味で使うのなら、私は「変格」を探していくしかしょうがないなあ。やはり海外黄金期ものに戻ろうと思う。
というわけで、江神シリーズはまあまあ好きだったんで久々の新刊がでたら、とも思っていたが、もう読むことはないだろう。ケシテモウナイ。
コメント
こんにちわ。
以前QLSOのことで質問させて頂いた者です。
ところで、
私も、火村シリーズが本格だとは思いません(笑)
キャラクタものじゃないですかね?
有栖川氏の本は、何かビミョーに濃さというか、詰めが足りない気がします。
島田荘司も、お舘トンデモものだし。
改めて「本格」って何だろうな?と思います。
Posted by: kaeru298 | March 10, 2007 11:02 AM
ごぶさたしてます。QLSO最近使えていません。
キャラものとしては萌えられないんですが。。。王様のブランチのセットで吉本新喜劇やってるような気分です。
最近海外黄金期ものの翻訳出版が増えているので困らないのですが、高くてじゃまになるのは確かです。
Posted by: なおき | March 11, 2007 01:05 AM
こんにちは、ご無沙汰しています。Cの青木です^^。
ふふふ、これまたちょっと辛口なコメント。でも、なおきさんの書評はいつも的を得ていると感じているので、きっと私にも面白くなさそおう。。これは読むのをやめようと思いました(笑)表紙は確かに格好いいですよね。
Posted by: あおき | March 11, 2007 01:38 PM
おや、誰かと思えば。あおきさんはこんな推理小説系も読むんですか?ぜひ読んで判断してください。
最近はあんまりまじめな海外文学系は読んでないです。どこかで心機一転しないといかんですな。
Posted by: なおき | March 11, 2007 05:57 PM
私は推理小説系もかなり好きです~。この本は装丁と題名でちょっとひきがあったんですが..。
最近はあまり海外文学系は読んでいないんですね。最近は、やはり京都散策で、和の方にきているとか(笑)
Posted by: あおき | March 12, 2007 12:28 AM
鴉系だと麻耶雄嵩の「鴉」でしょうか。古代史のほうにはいってますが、まあ仕事も忙しいんで。軽いものが読みたくなるんですよね。
ただ、他のみなさんの「本格」とはやはり私の好みは違うようなので、ちょっと好きな推理小説リストを書いてみようかと思うです。
そうすれば、好みが違うんだから。。。というのが明確になりそうなんで。
Posted by: なおき | March 13, 2007 12:00 AM