西海岸出張の合間に足を伸ばしてアンダーソン・バレーのワイナリー巡り。
ナパ・ソノマから車で2時間ほど北上。谷あいの町でナパ・ソノマほど混まず。
ワイナリーもほぼアポ試飲のような独占状態で総じてフレンドリーな対応。
葡萄供給元として歴史は古くカリフォルニアの泡のピノはこちらの葡萄との由。
近年、生産者元詰めを開始したところもあり、若いワインメーカーが多く発展途上。
品種は白ではシャルドネよりもゲヴュルツ、赤は断然ピノがいいと思います。
①Foursight
2007年に葡萄栽培者Charles家と娘婿Joseph Webbにて創設したフォーサイト。
若奥様Kristyさんが応対。四世代続く葡萄栽培家なのでFour・・・ということです。
◇2008 Foursight SB Charles Vineyard Anderson Valley
◇2008 Foursight Gewurztraminer Anderson Valley
SBはステンレスタンク。微発泡気味。ゲヴュルツはちゃんとライチの香り。
葡萄畑はFerrington。なんらかの問題でボトルには記せないそうです。
◆2007 Foursight PN Zero New Oak Charles Vineyard Anderson Valley
◆2007 Foursight PN All-in Charles Vineyard Anderson Valley
◆2006 Foursight PN Charles Vineyard Anderson Valley
Charlesはその名のとおり自社畑。最初のは新樽不使用。可憐な赤系果実。
All-inは4つのクローン、114、115、777、Pommard。新樽20%。甘さがある。
ピノ・ノワールの葡萄はPapapietro、Schramsbergにも提供しているそうです。
2008年は春の霜、夏の山火事で特に山の上の方に甚大な影響が出たとの由。
②Londer
Pinot Daysでもお馴染みのロンダー。眼科医からの転身で2001年が初生産。
ワインメーカーはRichard Davisで2005年まではGreg LaFollette(現在コンサル)。
Foursightの娘婿Joseph Webbがここで働いており、試飲の応対をしてくれました。
しかし、この人はよくしゃべる。しかも内容が高度で専門的。一種のオタクですね。
◇2008 Londer Dry Gewurztraminer Anderson Valley
◇2008 Londer CH Corby Vineyard Anderson Valley
◇2007 Londer CH Kent Ritchie Vineyard Sonoma Coast
ここのゲヴュルツもきちんとライチの香り。畑はFoursight同様Ferrington。
Corbyは一部MLFでリンゴ酸を残して酸を際立たせるため。Ritchieはフル。
◆2007 Londer PN Anderson Valley
◆2007 Londer PN Paraboll Anderson Valley
◆2007 Londer PN Ferrington Vineyard Anderson Valley
◆2007 Londer PN Londer Vineyards Estate Anderson Valley
◇2007 Londer Sweet Gewurztraminer Anderson Valley
ここのピノノワールは暖かいイメージ。Ferringtonのみ堅く抑えられた印象。
Ferringtonは長く狭い畑なのでいろいろな微気候、土壌の影響を受ける。
なお、Foursightでは20~30%がwhole clusterだがLonderは完全除梗。
テイスティングルーム。隣は美術品小物を売る店。
③Breggo
最近よく名前が上がるブレッゴ。注目のワイナリーだが2009年にCliff Ledeが買収。
そのせいか小さな醸造施設なのに卵型コンクリートタンクとかボトリング機械を完備。
応対してくれたのはDan。唯一のフルタイム勤務で従業員は3名しかいないそうです。
WinemakerはRyan Hodgins。以前、Acacia、Hansel勤務。個人銘柄はM Autumn。
◆2009 Breggo Rose of Syrah Medocino County
畑はAlder Springs。ロゼを造るための専用ブロックがあるとのこと。直接圧搾法。
◇2008 Breggo CH Savoy Vineyard Anderson Valley
50%MLF。新樽30%。結構、トロピカルフルーツ全開で樽香も奥に感じる。
◇2009 Breggo Gewurztraminer Anderson Valley
畑はFerrington。ライチの香りはするが、なんとなく甘い口当たりが残る。
◇2009 Breggo Pinot Gris Anderson Valley
65%がステンレス、15%がコンクリート(卵型)、20%がニュートラル樽使用。
ビオの畑(Filigreen Vineyard)で栽培との由。なぜかグレープルーツの香り。
◆2008 Breggo PN Anderson Valley
Acre単位で畑を契約。2008年6月からビオに変更。2011-2012年には果実利用。
Donnelly Creek、Savoy、Wiley等5つの畑の混醸。BBQ味で中心線に欠ける。
◆2008 Breggo PN Savoy Vineyard Anderson Valley
ビオっぽい小梅系。果実味が薄い。フィルタリングの影響かもしれない。
◆2008 Breggo PN Donnelly Creek Vineyard Anderson Valley
Pommardクローン。こちらも小梅、オレンジの皮。果実味が薄い。
◆2007 Breggo Syrah Anderson Valley
ブルーベリー、プラム、石榴の香り。スパイスも効いていてチャーミングな造り。
◆2007 Breggo Syrah Alder Springs Anderson Valley
滑らかだが漢方?薬膳?の香り。こういう造り方なのかもしれない。
Breggoマーク付きの専用ステンレスタンク。
白ワイン用の卵型コンクリートタンク。
ボトリング施設。設備投資してるねえ。